なぜ「朝倉未来vs平本蓮」戦は注目されるのか? 約5年にわたる因縁をひも解いてみた<超RIZIN.3>

2024/07/28 10:10 配信

芸能一般

2023年 失意の朝倉未来と平本蓮のエール

1月、トラッシュトークの範疇を超えて、無関係な人まで巻き込んだ誹謗中傷ともとれる平本の挑発の数々に、朝倉は訴訟を示唆。緊張感を漂わせた。

4月29日の「RIZIN LANDMARK 5」で、朝倉は牛久絢太郎と対戦し勝利。平本は元RIZINフェザー級王者の斎藤裕と対戦し、テイクダウンの猛攻を凌ぐも、1-2の判定負けを喫した。ここで平本が勝っていれば、朝倉vs平本の対戦が現実的になると言われていただけに、平本は意気消沈。だが朝倉は「平本が急成長している。テイクダウンディフェンスも進化している」と評価した。

朝倉は7月30日に開催された「超RIZIN.2」でRIZINフェザー級王座をかけてヴガール・ケラモフとメインイベントで対戦。試合開始早々、ケラモフに主導権を奪われ1Rでタップアウトによる一本負けを喫し、王座獲得に失敗した。

続けて11月19日「FIGHT CLUB」でYA-MANとオープンフィンガーグローブ着用でのキックボクシングルールで対戦するも、まさかの1R1分17秒でKO負け。本職ではないキックボクシングルールだったとはいえ、衝撃的な敗北に平本は「何も言えないですね、バカだなアイツは…」とショックを隠せなかった。朝倉は、SNSで引退を示唆。のちに撤回したが、自身のYouTubeで涙ながらに「また必ずね、皆さんの前に強い姿を見せたいと思っているので、その時まで…待っていてください」と休養を宣言した。

実はこの時、平本は試合後にDMで「お疲れ様です。また頑張りましょ」と朝倉にメッセージを送っていた。※のちに朝倉もこのメッセージを引用し「ありがとな RIZINの舞台でやらないといけないことがあるよな」と投稿。

その年の12月31日「RIZIN.45」で平本vsYA-MANが実現。会見でいつものトラッシュトークが展開されると思いきや、平本は「今日はちょっと本音を…」と切り出し「朝倉未来がいたからRIZINでMMAをやろうと思えた」「自分で話題を作って、(朝倉との)勝負をつかもうとしていたけど、斎藤選手に負けたりして逃してしまっていた」「落ち込んでいたが、アイツがケラモフと試合しているのを見て、勇気をもらって」「ここで勝って、来年アイツとの試合も見えてくると思うので…絶対勝ちます」と休養中の朝倉未来への思いを吐露。

YA-MANとはMMAルールで対戦し、双方退かぬ激闘の中、平本が3-0の判定勝ち。試合後、マイクで「朝倉未来、お前が(YA-MANに)ぶっ飛ばされるから、俺がぶっ飛ばしたわ」とアピールし、朝倉も笑顔で答えた。ルールは異なるものの、朝倉をKOしたYA-MANを平本が倒したことで、2人の対戦は俄然現実味を帯びはじめた。

2024年「朝倉未来vs平本蓮」


朝倉未来vs平本蓮の機運が高まる中、朝倉未来が3月13日、X(旧Twitter)で「ただいま」と投稿し復帰。平本が「おかえり」と返すと、朝倉が「馴れ馴れしいやつだな、おかえりなさいだろ」、平本も「相変わらず生意気だな」と舌戦を繰り広げ、ファンを喜ばせた。

そして3月16日「超RIZIN.3 超緊急記者会見」にて、ついに朝倉未来vs平本蓮の試合が発表される。会見で朝倉未来は「絶対に勝つ。この試合に負けたら引退します」と宣言。平本も「ケラモフに負けて、YA-MANにのばされてイジけてるので、僕がとどめを刺します」とトラッシュトーク全開となった。

「超RIZIN.3」メインイベント「ラストマン・スタンディング・タイトルマッチ」としてRIZINフェザー級(66kg)5分5Rで対戦。通常5分3RのRIZINが今回5R制となり、判定ではなくKOでの完全決着が見られる可能性も高まる。

試合直前のインタビューで朝倉未来は平本に対し「遺恨は多少ありますけど、ここまでやる気を出せたのは彼のおかげ」と感謝しつつ「彼が憧れたころの朝倉未来よりも強い状態なので、体感してみろよ」と過去最強の仕上がりであることを示唆している。また平本蓮もアイルランドにわたりコナー・マクレガーのジムで武者修行。「朝倉未来と試合するために、本当に過去最高、格闘技人生すべてかけてやってきました」とゆるぎない思いを明かした。

約5年に及び、傷つきながらも注目を集め、格闘技界をけん引してきた2人の格闘家の因縁が、さいたまスーパーアリーナで4万人超が見守る中でついに決着。PPVでの配信も、キャッシュバックキャンペーンのあるABEMAなど各配信サイトで行われている。

朝倉未来 vs. 平本蓮(C)RIZIN FF