<逃げ上手の若君>魔道に堕ちた獣と対峙!? 新たな仲間と絆を深める時行。「ドラゴンボール」のパロディネタも話題に

2024/07/27 15:27 配信

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アニメ「逃げ上手の若君」第三回より©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会

魔道に堕ちた獣との戦いで絆を深める時行と若き郎党たち


時行が諏訪での生活に慣れてきた頃、頼重は郎党集めに打って出る。郎党とは有力武将と主従関係を結び、命がけで戦う配下のこと。郎党の強さこそが主君の強さそのものと言っても過言ではない。時行は鎌倉幕府滅亡により、親族や家臣を失ったため、一から郎党を作り直す必要があった。

そこで頼重はまず、いずれ軍を率いる武装として刀の遣い手である弧次郎を、陣中を共にする便女(びんじょ)として怪力で芸才も豊かな亜也子を、お家全体を取り仕切る執事として秘術使いでよく気の回る娘の雫(CV:矢野妃菜喜)を時行に推薦した。3人とも時行とは同い年。最初はそこで絆を深め、今後はさらに郎党を増やしていく算段だ。「未来ではこういうのを王道展開というそうですぞ!」と熱弁を振るう頼重は、孫悟空のような成りに。このアニメの原作と同じく、週刊少年ジャンプ(集英社)に掲載された「ドラゴンボール」のパロディネタに視聴者が湧き上がった。

その後、亜也子の提案で時行たちは狩りに出かける。頼重が見通していたように、そこで彼らは試練に出会うのだった。槍でウサギを追っていたところ、隣国で噂になっていた人を食らう牛鬼・牡丹と遭遇してしまう時行たち。弧次郎と亜也子は二人だけじゃ手に負えない相手と判断し、逃げようとするが、雫は「今は時行様がいるんだから勝てる」と進言。少し離れた唐松の木まで先回りした弧次郎と亜也子のもとに、時行が逃げて牡丹を導くことになった。

主君でありながら囮にされた時行は文句を言いながらも、神回避を連発。持ち前の逃げ足で猛スピードで追いかけてくる牡丹を巻きつつ、目標地点にたどり着く。すると、崖の先にそびえ立つ唐松の木から弧次郎が「北条時行一向に牙を向けたこと、後悔させてやる」と牡丹を挑発。牡丹は弧次郎と亜也子のもとに猪突猛進し、そのまま崖から落ちていく。化け物じみた牡丹は崖から落ちたくらいでは死なない。けれど、崖の下には「神様の歯」と呼ばれる鋭利な黒曜石があり、牡丹はそれに突き刺さって命を落とした。

太古の獣の生き残りとみられる牡丹を仕留めた時行たちは温泉に浸かり、疲れを癒す。「家族がいれば、魔道に堕ちることもなかったのに」と牡丹を偲ぶ雫の言葉を受け、物思いに耽る時行。家族がいないために魔道に堕ちた牡丹のことが、時行は他人事とは思えなかった。信頼できる家族や友人を失った時行も、もしかしたら同じ道を辿っていたかもしれない。けれど、頼重に助けられ、弧次郎たちにも出会うことができた。「これからは時行党の作戦会議は温泉でやろうぜ!」とみんなに呼びかける弧次郎。時行党だと敵にバレてしまうため、今後、一行は「逃若党」と名乗ることになった。

時行が主君として自分の顔を立てながらも、友人のように接してくれる仲間を得た第三回。視聴者からは「逃若党って名前いいなあ」「若様と郎党の皆は主君と家臣というより仲間って感じで可愛い」「旅の中でそれぞれの成長が描かれると思うと、それもまた楽しみだ」という感想が上がった。

◆文/苫とり子

アニメ「逃げ上手の若君」第三回より©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会