コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、元アパレル店員のゆき蔵さんが描く『女性客が粘着ストーカーに豹変した話』をピックアップ。
2024年5月27日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、9,300件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、ゆき蔵さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
作者のゆき蔵さんは元アパレル店員。接客業で経験したことの中で印象深いエピソードを、フィクションを交えながら面白おかしく漫画にしている。
そして、今回のお話は粘着質なお客・粘田様のエピソードだ。以前にゆき蔵さんが接客をして以来、粘田様の“お気に入り”になってしまったことが悪夢の始まり。その日以来、ゆき蔵さん目当てで来店するようになり、シフトまで確認してくるようになっていった。
そしてこの日は、ゆき蔵さんが別のお客のお会計対応をしていたところで事件が起きる。突然、後ろから“ガチャンガチャン”と何かを打ち付けるような音が聞こえてきた。音の方に目をやると、粘田様がラックに何度もハンガーを打ち付けていたのだ。まるで、“無言で威嚇しているようだった”という。接客中のお客は驚き“自分への接客が長かったから”と申し訳なさそうに帰っていった。
自分目的だとわかっていたゆき蔵さんは、お会計が終わり粘田様に声をかけた。すると、粘田様は自分が被害者であるかのように半泣きになりながら、待っていたことを訴えてきたのだ。異常な様子にゆき蔵さんは“正論をぶつけても仕方がない”と思い、楽しそうにおすすめ商品の話を始める。すると、粘田様から怒りの感情が消え笑顔を見せた。そして、「今度からはすいてる時間に来ますね」と言った。この“すいてる時間”というのが、ゆき蔵さんをさらに苦しめることになる。
別の日、閉店時間になりお店を閉める準備に取り掛かり始めたところ、「こんばんはー」と声をかけられる。粘田様だった。なんと、すいてる時間とは閉店後だったのだ。入口が閉まる寸前でも「入っちゃえばギリギリセーフ」と、笑いながら話す粘田様。他の店員が「本日は閉店致しましたので…」と伝えても振り切る始末。お客に強くは出られないお店をいいことに、楽しそうにショッピングを楽しむ粘田様なのであった――。
本作の投稿へは「常識ない」「こわすぎ」と異常行動に驚く読者からコメントが寄せられるとともに、「あるある…と思いながら読みました」「似たような経験アリ」など接客業経験者からの声も見受けられた。
――『女性客が粘着ストーカーに豹変した話』を創作したきっかけや理由などをお教えください。
接客業をしてると「普通」の境界線があやふやになってしまう時があります。個性が強いお客様が非常に多いからです。
でも改めて考えた時、粘田様の行動は流石に普通ではないので話として面白いのでは!?と思い描きはじめました。
――ゆき蔵さんは元アパレル店員ですが今回のお話に登場するお客の他にも大変だったエピソードや、逆に楽しかった、やりがいを感じたなどのご経験をお教えいただいてもよろしいでしょうか。
こんな話ばかり書いてると読者様から「運がなさすぎる」とコメントがきます。笑 でも実際は良いお客様ばかりなんです。
思い出深いエピソードは、不快な対応を受け悶々としてた時に私の接客を受け心が救われましたとお褒めのメールを頂いたことです。
――本作を描く上で、特に心がけたところ、大切にしたことなどをお教えください。
ズバリ、危ない人は身近にいます!それを面白おかしく伝えられるように心がけました。ある意味、注意喚起漫画です。笑
――X(旧Twitter)投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。今回の反響をどのように感じていらっしゃいますか。
バズらない人生を送ってきたので、バズって本当に起きるんだ…と感動しました!はじめて20+の表示を見ました。笑
――今後の展望・目標をお教えください。
今後もマイペースに息の長い活動を送っていきたいです。10年後に「この人まだ漫画描いてたんだ懐かし〜」と言ってもらえる様に頑張ります!
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
いつもご愛読ありがとうございます!まだまだアパレル珍エピソードはありますので引き続きお付き合い頂けたら幸いです!これからもゆき蔵をよろしくお願い致します!
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)