【漫画】ある廃村で暮らす人間の姿をした“彼ら”の正体とは…思わず引き込まれる世界観に「どこか懐かしい不思議で尊いお話」と反響

2024/08/08 18:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

『ひとひとがみ日々』が話題!©古山フウ/小学館

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、古山フウさんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「ひとひとがみ日々」だ。8月1日時点で以上1.7万のいいねがつく反響が集まり、話題となっている。今作は、7月11日に発売された単行本『ひとひとがみ日々』に収録されている第1話で、サンデーうぇぶりでも掲載されている作品だ。今回は作者の古山フウさんに制作の背景を伺った。

人の姿をした神と物の怪が住む ある廃村

『ひとひとがみ日々』(5/36)©古山フウ/小学館


舞台は、現代。ある廃村で起こるお話だ。
人間の姿をした神や、その神に体の一部と品物を交換してくれる物の怪などが登場する。

主人公の菊ちゃんは、周りのように特別な能力もなく3食食べてもまだお腹が減っている時がある。
大石の神であるイシは、能力もあり食事も3日前に食べたからと燃費がいい。
菊ちゃんは周りと比べて『私だけほんとの人間みたいじゃない?』と気にしていた。

そんな時にイシと菊ちゃんの前に、巨大な物の怪が現れる。
「振り向かず走れ菊」と、イシは菊ちゃんを逃がし、物の怪と立ち向かった。

今作は、そんな彼らが繰り広げる不思議で、思わず引き込まれる世界観が魅力のストーリーだ。

実際に漫画を読んだ人達からは「世界観が素敵すぎて、読んだ時から心に刺さって抜けない」「面白い設定」「めちゃくちゃ刺さる」「どこか懐かしい不思議で尊いお話」「好きな要素しかない」と、いった声があがっている。

今回は、作者・古山フウさんに『ひとひとがみ日々』の制作について話を伺った。

作者・古山フウさんの創作背景とこだわり

『ひとひとがみ日々』(21/36)©古山フウ/小学館

――「ひとひとがみ日々」を創作したきっかけや理由があればお教えください。

「ひとひとがみ日々」は、ある廃村で暮らす人の姿をした神様たちの物語です。このお話を考えたきっかけは、私自身がUターンで地元の町に引っ越したら、地元の街が過疎指定を受けていてびっくりした事でした。私の通っていた頃は1学年3クラスパンパンに生徒がいた小学校も現在は1学年20人弱になっており、県道から少し脇道に入ると、人が住んでいない、昼でもしんと雨戸の閉まった住宅がぽつぽつと見られます。そんな小さな集落の中に、綺麗に整備された神社や祠があります。もし何十年後かにこの集落に人が住まなくなった時、ここに居る神様たちはどうなってしまうのだろう?と思った事からこの物語は生まれました。作品のテーマも「忘れられてしまったことは、無かったことになってしまうのか」となっています。

『ひとひとがみ日々』第1話より©古山フウ/小学館

――「ひとひとがみ日々」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?

登場人物たちがご飯を食べるシーンをこだわって描いているので、そこをぜひ見ていただけたらと思っています。

神様たちが人の姿になって一番困ったことはお腹が減る事です。物語の舞台となるミツカド山では色々と大変な事も起こるのですが、そんな中、彼らが美味しいものを楽しく食べて元気になる様子を描くのが楽しくて、読者の皆様にもそこを楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。

『ひとひとがみ日々』単行本1巻収録の第5話より©古山フウ/小学館

――今作で特にお気に入りのシーンやセリフなどがあれば理由と共にお教えください。

第1話で、主人公の菊ちゃんが物の怪に襲われた後ご飯を食べるシーンが特に気に入っています。

「ひとひとがみ日々」に登場する神様たちはそれぞれ特別な力を持っていますが、主人公の菊ちゃんだけは弱くて何の力もなく、「私だけほんとの人間みたい」と気にしています。でも、本当の強さというのは他を圧倒するような強い力を持つことではなく、寝て起きてお腹が空いたらご飯を食べて元気になってまた眠るというような、「暮らす」を日々淡々と繰り返せる力なのではないかなと思っているので、そういう事が伝えられたら良いなと思ってこのお話を描いています。タイトルに「日々」という言葉を入れたのもそれが理由です。

――普段、漫画を描く際に大切にしていることや意識していることはありますか?

そうなっているかは分かりませんが、なるべく読みやすい漫画を描けたら良いなと思っています。

あとは読者の方が漫画の中でお気に入りのキャラクターを見つけてくれたらすごく嬉しいと思っていて、キャラの一人一人がどうしたらその人らしく魅力的になるかを考えながら描いています。

――古山フウさんの今後の展望や目標をお教えください。

とりあえず直近の目標は、「ひとひとがみ日々」を自分の描きたいラストまでしっかり描き切る事です。

今後はいくつか温めているお話があって、それをきちんと形にして世に出せたらいいなと思っています!

――最後に古山フウさんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

いつも応援して頂いて本当にありがとうございます!!というのを一番に伝えたいです。

お話を作ったり、それを漫画という形にするのは漫画家と編集者ですが、漫画を育ててくれるのは読者の皆様だと思っていて、漫画の感想をsnsにポストして頂いたりコメントやアプリの拍手を頂いたり、いつも本当に励まされ力をもらっています。

これからも楽しい漫画をお届けできるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします!

『ひとひとがみ日々』単行本1巻発売記念イラスト©古山フウ/小学館