【漫画】新一万円札になった渋沢栄一が超ネガティブ…先輩の福沢諭吉による厳しいひと言に「急に突き放して爆笑」の声

2024/08/12 08:30 配信

芸能一般 インタビュー コミック

旧一万円札の福沢諭吉を妬む渋沢栄一画像提供/織田樹さん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、漫画家の織田樹さんによる『ガンバレ渋沢さん!』に注目しよう。

同作は新一万円札の顏となった渋沢栄一と、旧紙幣の福沢諭吉による会話を描いたショート漫画。織田さんのX(旧Twitter)にポストされると、話題性が高かった新紙幣というテーマだったこともあり、4.6万もの「いいね」が寄せられて“万バズ”を達成している。そこで作者である織田さん『ガンバレ渋沢さん!』を創作したきっかけなどを伺った。

何を言ってもネガティブに捉える「新一万円札の偉人」

『ガンバレ渋沢さん!』(1/3)画像提供/織田樹さん

新紙幣の一万円札に印刷された偉人である渋沢栄一は、今後新一万円札として世に出回ることを憂いていた。

とにかくネガティブな渋沢は「電子マネーのこの時代に新一万円札が出たところで 誰も使ってなんかくれないやい」と嘆く。すると、旧一万円札の福沢諭吉が「そんなことないよ」「3Dホログラムなんてすごいじゃない」と、新紙幣に採用された最新技術を褒めては慰める。

しかし悲観的な感情から抜け出せない渋沢は、40年も富の代名詞になった福沢を妬み、さらに「『今年のボーナス渋沢~(渋いという意味)』とか言われるんだ」「『どの角度にしても3Dホログラムの渋沢と目が合ってキモーい』とか女子高生に言われるんだ」と不貞腐れてしまう。見兼ねたは福沢は渋沢の肩に優しく手を置き、慰めるのかと思いきや、真顔で「この世は平等じゃない」と厳しい言葉を投げかけるのだった…。

紙幣になるほどの偉人をコミカルに描いた同作に対し、読者からは「何だかほんわかした」「一万円は一万円だから受け入れるよ!」「ネガティブな渋沢さんかわいい」といった反響が相次いでいた。

作者の織田さんは電子決済派!

『ガンバレ渋沢さん!』(2/3)画像提供/織田樹さん

――『ガンバレ渋沢さん!』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

7月3日に新紙幣が発行される話題は数日前から出ていました。平成生まれの自分にとって一万円札のイメージはやはり福沢諭吉でしたので、デザインが変わることに慣れないかもしれないと当初は思っていました。

しかし渋沢さんの気持ちになって考えてみると、こんなにアウェイな状況はないな、と。例えるなら、仕事ができて人望も厚い上司からチームを引き継ぐために、他部署の人がきたような心境だと思います。そんな視点で渋沢さんを見ると、一気に親近感が湧いたので漫画にしてみました。

――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。

こだわった点は、教科書やお札に印字されてる2人は普段「スンッ」とした顔で近寄りがたいので、あえて作中では泣いてみたり、拗ねたりと表情豊かにしてみたところです。コメディタッチな2人の掛け合いを楽しんでもらいたいです。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。

気に入っているのは、渋沢さんが「どうせ今年のボーナス渋沢~とか言われるんだ」と卑下するセリフです。ちょうどボーナスの時期でしたので、私生活で使えそうな渋沢さんをもじったギャグを一つ入れたいなと。でも、描いたあとで、このセリフが流行らない世界の方がいいなと思いました。

――すでにお手元に新紙幣があるか分かりませんが、織田さんから見た新紙幣に対する印象もぜひお聞かせください。

自分はほとんど電子決済の生活になってしまったので、新紙幣をまだ見れていません。さらに電子決済が主流になれば、紙幣の話題で盛り上がることも今後なくなるかもしれないと思うと少し寂しいです。

――今後の展望や目標をお教えください。

今回みんなの関心が高いテーマだったので、これだけ反響をいただけました。これからも世の中の関心や共感性をつつけるようなストーリー作りができる作家を目指して頑張っていきたいです。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

地球温暖化をテーマにしたSF漫画『(ふ)』を現在連載しております。今回の『ガンバレ渋沢さん!』の漫画のような時事ネタ満載の作品がお好きな方には、楽しんでもらえるような内容になっているので、ぜひ読んでください!