【漫画】キレイになりたいだけなのに…彼氏に言われた一言で”整形沼”にハマっていってしまうコミックエッセイに「辛すぎる」「負のループ分かる」などの声

2024/08/09 18:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

『ただキレイになりたかっただけなのに』(『14歳で整形した私 「ブス」の呪いから解けて自分を好きになる日まで』より)が話題(C)うみの韻花/KADOKAWA

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、6月24日に電子書籍が発売された、うみの韻花さんが描くコミックエッセイ『14歳で整形した私 「ブス」の呪いから解けて自分を好きになる日まで』より『ただキレイになりたかっただけなのに』をピックアップ。

うみの韻花さんが2024年7月22日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、3,519件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、うみの韻花さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

キレイになるために受けた整形手術だったのに…

『ただキレイになりたかっただけなのに』(『14歳で整形した私 「ブス」の呪いから解けて自分を好きになる日まで』より)(1/25)(C)うみの韻花/KADOKAWA

彼氏との誕生日デートを楽しんでいた主人公は、撮影中の芸能人を「すっげー美人!しかもおっぱいでけー!」と言うのに対し、主人公の胸に対しては「これでEね…」と冷たく対応する。そのことをきっかけに、「外見の悩みは全て整形で解決する」という考えになっていた主人公は、豊胸することを決意する。

彼には絶対バレずに豊胸したと思い、様々な豊胸方法を調べ「脂肪再生豊胸」に辿り着いた主人公。すぐにカウンセリングを受け、整形手術を受けることを決めたのだった。整形は賭けだ、と思いながらもこれで身体も完ぺきになれる、と思っていた彼女は、三か月後には形も手触りも良い胸を手に入れた。綺麗になったと自信を持った主人公だったが、彼の反応は薄く、冷たい態度を取られてしまう。

その後、上司に誘われた合コンでトラブルがあり、彼は強制わいせつ罪で逮捕されてしまう。釈放後に泣きながら謝る彼と主人公は、心機一転地方へ一緒に引っ越すこととに。彼から2週間遅れて引っ越すことになっていた主人公は、その間に鼻の整形をすることを決める。痛みや恐怖に耐えて受けた鼻の整形手術は成功し、納得した気持ちで彼のいる地方へ。

しかし、術後三か月がたったある日、彼に「なんか鼻曲がってない?」と言われ、自分の鼻が前よりもひどくなっていることに気づく。主人公は、鼻を失敗したせいで何をしてもキレイにならないと絶望し、さらに整形沼にはまっていくのだった。

作品を読んだ読者からは、「辛すぎて泣いちゃった」「鼻整形ってこんなに怖いの!?」など、反響の声が多く寄せられている。

作者・うみの韻花さん「傷ついた過去を共有したい」

『ただキレイになりたかっただけなのに』(『14歳で整形した私 「ブス」の呪いから解けて自分を好きになる日まで』より)(25/25)(C)うみの韻花/KADOKAWA

――『14歳で整形した私 「ブス」の呪いから解けて自分を好きになる日まで』は、全て実話が元になったコミックエッセイですが、描かれようと思ったきっかけや理由などをお教えください。

モラハラ彼氏と別れたのをキッカケに、幼少期からの夢である漫画家を目指そうと決めました。特に「整形」をテーマにした漫画は少ないので自分の整形エッセイを描いたら目立つのではないか?と考え一年前にXのアカウントを開設しました。3ヶ月後にKADOKAWA さんから書籍化のお誘いをDMでいただきました。それまでは整形レポ漫画風の短編ばかり描いてましたが、書籍化に向けて、辛い経験も含めたありのままの私の整形人生を描こうと決意しました。

――今作を描くうえで、特に心がけた点や大切にしたという点があればお教えください。

「整形」「ルッキズム」など重たいテーマではありますが、最後は笑顔で前向きな気持ちになって読んで終われるように描きました。特に辛かったシーンなど、過去の自分の感情を呼び起こしてペンに込めて…力強く描きました。

――今回の作品のなかで、特に大事にしているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

第11話の最後のページの、韓国で2回目の鼻整形中に静脈麻酔で意識が遠のきながら「悔いなんてないーこれは私が自分を好きになる為に覚悟を決めた証なのだからー」と語っているシーンでしょうか。

海の底にある黒いもやもやは「死」をイメージしてます。これは整形が成功する保証もない、死ぬかもしれないし、失敗してさらに生き地獄を味わうかもしれないという様々な不安要素の「死」へ向かって、ただ静かに堕ちてゆく自分を描きました。それほど整形は華やかなものではないし、リスクを伴うということを伝えたかったからです。

――外見について家族を含め誰かからマイナスなことを言われることは大変なダメージかと思います。そういったテーマを漫画として描くことはうみのさん自身お辛くはなかったですか?

辛かったです。泣きながら描いたこともありました。誰かから外見についてマイナスの言葉を向けられると、心臓が一瞬「ヒュッ」と止まった感じがします。しかも平気で人を傷つける人は、いつも突然、言葉の刃を向けてくるんです。思い出すだけでも悲しい気分になります。でも、外見の悪口で傷ついてる人は私だけじゃないし、他にも悩んでる人はたくさんいる。その人達の為にも、私の傷ついた過去を共有したいと思ったし、1人でも読んで下さる方がいると思うと最後まで描くことができました。

――男女問わずルッキズムに苦しみ、悩み続ける方は多くいらっしゃると思います。そういった方々に、整形を経験したうみのさんからメッセージがあればお願いします。

外見の悩みって男女問わず避けて通れないものだと思います。ダイエットをして痩せたり、髪型を変えたり、メイクをしても、悩みが解消されなくて最後の手段で整形を選ぶことだってあります。でも整形はリスクがあるし一回で成功する保証もありません。私のように沼にハマり、何度も修正を繰り返す可能性もあります。ですが、どの選択肢をとっても後悔がない様にして欲しいし、自分だけは見失わないで欲しい。自分自身が1番の味方なんです。

この先誰かに傷つけられたとしても、その人は所詮他人だし、平気で人を傷つける人の言う言葉なんて、あてになりません。自分をしっかり持って、少しずつでもいいから認めてあげることが大切だと思ってます。悩める皆さまが自分のことを好きになれますように。

――うみのさんご自身や作品について、以前当メディアのインタビューで「整形・美容の漫画家といえば、うみの韻花」と世間に認知されるような作品を生み出したい、とおっしゃられていましたが、すでに次作の構想などはおありなのでしょうか?

今は次回作のネーム執筆中でして、次次回作も構想を練っている段階です!

――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

ここまでインタビューをお読み下さりありがとうございます!!DMで書籍のご感想やコメントをいただいたりと、嬉しい気持ちで一杯ですし日々の創作活動の励みになってます。こうして漫画を描けるのも皆さま一人一人の応援のお陰です!!先述した通り、次回作頑張って描いてますので、お楽しみにしていただけますと幸いです!!今後とも末永くよろしくお願いいたします!