<逃げ上手の若君>「命の危機に興奮するとは…」ハラハラドキドキの“隠れ鬼”で時行の生存本能に火がつく?

2024/08/03 09:30 配信

アニメ レビュー 編集部おすすめ

アニメ「逃げ上手の若君」第四回より©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会

難敵との弓対決で芽生える生存本能


第四回は、北条時行(CV:結川あさき)が持つ英雄としての素質が次々と現れた回でもあった。巫女を怪我させた貞宗をみんなが強く非難する中、「弓だけは美しかった」と振り返る時行。そう、貞宗は弓の名手であり、その腕前を支える視力と観察眼を持ち合わせていた。憎き相手であっても、良いところは良いと認める素直さと度量。頼重は、時行が大将になる時、必ずその資質が役立つと確信するのだった。

そんな中、諏訪大社で走る犬を馬上から弓矢で射て優劣を競う武技「犬追物」が行われる。北条の残党を捕え、かつ諏訪の勢力を弱めようとする貞宗はこれに目をつけた。当日、強引に飛び入り参加を果たした貞宗は「もしお前たちの誰もわしの弓に勝てなかったら、この諏訪領内で我らが北条を捜索すること、怪しいものを取り調べること、一切邪魔せぬと誓ってもらおう」と賭けを申し出る。

頼重はこれに快諾。対戦相手として、まさかの時行を推薦する。時行は武芸の中で唯一得意とする弓の練習に励んでおり、貞宗の技術を盗むチャンスと捉えたのだ。しかし、時行が貞宗に勝てる可能性は皆無に等しく、負けたら諏訪家は貞宗の言いなりにならなければならない。時行は“長寿丸”という偽名を使っているが、何かの拍子で素性がバレる可能性もある。

弧次郎(CV:日野まり)と亜也子(CV:鈴代紗弓)たちは頼重をどういうつもりかと問い詰めるが、時行は憎き尊氏の顔を浮かべながら決意を固めるのだった。鎌倉にいた頃は嫌なことや面倒なことから逃げ続けていた時行。けれど、一度心に決めた大事なことからは決して逃げない。それも英雄となる上で重要な素質だ。

時行と貞宗の対決では、互いの身体に当てた場合も犬と同様に得点となるという特別なルールのもとで行われた。時行は自分の身体を狙う貞宗の弓を避けながら、接待用に調教された犬に弓を当て、得点を稼ぐ。最初は頼重が考えた作戦で順調に得点を伸ばしていた時行だが、弓だけではなく馬術も優れた貞宗に追い詰められていくのだった。

そんな中、ついに貞宗の弓が当たり、怪我をしてしまった時行。額から血が出ていることに気づき、「本物の弓なら死んでた」と怯えたかと思いきや、次の瞬間。時行は「楽しい!」と恍惚とした表情で馬を走らせる。痛みを感じることで、時行の中で生存本能の怪物が芽生えたのだろう。そんな時行に、視聴者から「どんどん時行の癖がオカシクなっていく」「命の危機に興奮するとは…」「血が出て痛くて怖いのに興奮してる時行様、本物の変態」「大事なことからは逃げない時行がめちゃくちゃかっこいい…!」という声が上がった。

◆文/苫とり子

アニメ「逃げ上手の若君」第四回より©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会