高杉真宙が振り返る、俳優としての15年の歩みとこれから「30代はスーツが似合うようになりたい」

2024/08/07 12:00 配信

芸能一般 インタビュー

「完成したものを見て思ったのは“気恥ずかしい”でした」

高杉真宙撮影=玉井美世子/ヘアメイク=堤紗也香/スタイリスト=菊池陽之介


ーー弁護士役や医者役はセリフがかなり難しいイメージがあります。

まさに。本当はビビってます(笑)。でも、その役をやることで見つけられるものもあると思うので、やはり挑戦したくなります。自分の世界が広がっていくような感じがして、大変さよりも好奇心が勝ちます。

ーー俳優人生15年間の中で、「きり、とる。」は2021年12月から約2年半の連載でしたが、今回改めて振り返ってみてどうでしたか?

毎月フィルムカメラを持って一つ写真を選ぶというのがかなり大変でした。同時に僕は本当に周りを見られていないんだなということに気付かされましたね。最初は撮りたいものが全然見つからなくて、すごく時間がかかっていたんです。徐々に自分がいろんなことに対して耳を使っているということに気づき始めました。いろんなものから音が聞こえてくるわけではないのですが、イヤホンを付けて耳を塞いで歩いていると不思議と全く見つけられないんですよね。

ーーそんな2年半を客観的に見て、変化は感じましたか?

自分が少しずつ変わっていくというよりも、毎月その瞬間で心境に変化があるんだなと感じました。そのとき臨んでいる作品によっても心の在り方が違うんだと思います。だから、完成したものを見てまず思ったのは、“気恥ずかしい”でした。その時々に思ったことを綴っているから、仕方ないことではあるのですが、このときってこんなこと思ってたんだな〜情熱的に語ってるな〜みたいな。この連載の期間中に二回舞台をやっていたのですが、特に舞台の最中の文章はちょっと気まずいですね(笑)。まとめていただいてうれしい反面、自分の2年半がすごく凝縮されているような気がして…恥ずかしさがちょっとあります。

ーー撮り下ろしカットパートでは、念願の長崎で撮影が行われたとのことですが、撮影中はどんなことを思っていましたか?

“撮影されていることをあまり意識せずに撮る”ということと、距離感と親しみやすさを意識していました。僕の一人旅をコンセプトにしているので、服も自分の普段着に近いものを選んでいます。「あまりにも私服に近過ぎる」と言って変更することもありましたね(笑)。全編フィルムカメラだからこそ、その味を生かすとキメる写真とは違うのかなと。フィルムカメラ特有の温かさみたいなものもあるので、より一層身近さを感じていただけると思います。

ーー掲載する写真も自身でセレクトしたのでしょうか?

かなりの枚数のセレクト用お写真をいただいて、その中から厳選しました。いつもだったら見せない僕を見せることも重要だと思ったので、普段は使わない写真もかなり含まれています。それは今回のコンセプトにあったものという基準と共に、旅の流れで出た表情だったり出た行動だったりとかを大切にしたいと思ったので選びました。

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