太一は食事中に上の空になるほど悩み、航平は太一とは会わずに生活を送っていた。
航平は太一と初めて会った屋上にひとりでやってくる。すると「航平」と呼ぶ声がして、太一が現れる。「ちょっと待ってな」と言って太一がリュックから何かを出して「あのな、航平」と今まで通りのように話し始めると、航平はため息をついて「ちょっと待って」と話を制する。
「平気なの? あんなこと言われて。もう俺とはいたくないでしょ」と航平が言うと、「ああ、まぁそれはびっくりしたし、どうしたらいいのかわかんなくて考えたよ、飯食うのも忘れるくらいにさ。考えて考えて、でも、いくら考えてもお前のこと嫌いになる理由なんて見つからなかったんだよ」と太一。そして、「だからとりあえずこれ。まだ応募できんのかって」と太一はノートテイカー募集のチラシを見せる。
航平はチラシを見て、顔を歪ませたかと思うと顔を背ける。「航平? 聞こえてるか?」と太一が確認すると、航平は目に涙を溜めながらうなずき「ちゃんと聞こえた」と答える。太一は安心したようにほほ笑み、航平はまた顔を背けて服の袖で涙を拭く。そのとき、太一の腹の虫が鳴り「あ、聞こえた?」と太一が聞くと、航平は「聞こえた」と言って笑うのだった。
キスされた後も変わらず航平に接する太一のまっすぐさに胸が熱くなり、太一に救われる航平の姿にもらい泣きしてしまった。SNSでも「泣きすぎて溺れるかと思ったむり」「鼻をすすり上げながら笑う航平がほんとにほんとに好き」「紙見せられて泣くところまじで号泣した」「振り向いて泣くの堪えてる感じがたまらない泣く…」とコメントが寄せられた。
◆構成・文=牧島史佳
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