――加藤史帆さんの起用理由についてお聞かせください。
上浦:加藤さんに関しては、前のご出演作もですが、特に日向坂46で活動していらっしゃるときの姿をバラエティー番組や歌番組、YouTube等でたくさん見させていただいて、普段の姿がまさに彩香ちゃんにピッタリだなと思いお声掛けさせていただきました。
実はすごく真面目で熱い部分が根底にありながら、次に何を発言されるか分からず目が離せなくなってしまう魅力が普段のご本人にもあって、玉手箱みたいな方だなと思っています。
彩香ちゃんと共通していると思うのは、根の強さ、芯の強さが伺い知れるところ。お芝居でも一切手を抜かずに正面からぶつかれる度胸がある、非常にかっこいい女性です。ふわっとしたかわいらしい方にも見えるのですが、異常に運動神経が良かったり、コメディーセンスが抜群だったり、トラブル時も瞬時に場を和ませられる機転と優しさもお持ちで、本当に何でもできるクレバーな人だなという印象があります。
――森カンナさんの起用理由についてお聞かせください。
上浦:長い間たくさんの作品で拝見してきましたが、どちらかと言うと普段ご本人が持っている佇まいのクールさやチャーミングさ、“女性にモテる女性”としての圧倒的な魅力といった点で、カンナさんしかいないと思いお声掛けさせていただきました。
私自身が思っていた“こんな森カンナさんが見たい!”という魅力がまさに弘子先輩には詰まっているなと思っていますし、弘子先輩のこのシーンをカンナさんのお芝居で見たいという思いを想像以上の解像度で具現化してくださっていて、ありがたく思っています。
ものすごく深い愛情をお持ちの方で、今回のドラマ化における我々の思いもくんでくださった上で、弘子先輩が身を置いてきたレズビアンコミュニティーについて熱心に勉強を重ねてくださり、カンナさんの熱意と愛情があってこそ今回たくさんのことが実現したと思っています。
――実際にお二人の演技を見てどのような感想を抱きましたか?
上浦:本読みの時点で、“これは!”という手応えがありました。クランクイン前からお二人の雰囲気も非常に良くて、かなり役にハマっているなと思いました。
大杉:森さんには“抱かれたい女ナンバーワン”になるような役柄を作っていただきたいと思っていたのですが、そのような感想がファンの皆さんからも届いています。とにかくかっこいいです。
撮影現場でのお二人の雰囲気がとてもよくて、クランクイン前にメインビジュアルの撮影や取材をしていたのですが、その中でお二人が徐々に関係性を作られていて。
すごく変わり者の加藤さんと、一見ツッコんでいるようでさらに愉快な変わり者の森さんというお二人の関係性がとても良いので、日を追うごとにどんどん関係性も深まって、役柄に反映される空気が生まれていったなと見ていて感じました。
――これまでの放送回で、特に印象的だったシーンを教えてください。
上浦:現場で“これはいける”と確信したのが、第4話のラストシーンでした。彩香ちゃんが弘子先輩を走って追いかけて、「私、女の人が好きなんです」と叫ぶところなのですが、彩香ちゃんがそれまで見せてきた “弘子先輩が大好き”という思いが、いかに切実だったか、そしてこれからの彩香ちゃんの成長の予兆を感じさせるシーンになっています。
「弘子先輩が好き」だけだと一向に伝わらないので、「女の人が好き」だと言えば、弘子先輩への好きが恋愛感情だと伝わるのではと彩香ちゃんなりに思ったのかもしれません。
ここからシリアスパートに入る中で、彩香ちゃんの恐ろしいほどの真っすぐさと、演じる加藤さんご本人の真っすぐで全力な一生懸命さがすごくマッチしていて、非常に手応えを感じました。カンナさんとの元々の信頼感があってのことですが、ここからのお芝居がより確実なものになるだろうなと感じました。
大杉:森さんがとにかくすてきで、第1話のレズビアンバーでの100人斬りの描写が、リアルにこういう人がいたらいいなと思わせるほどのインパクトでした。あとは、第4話で、彩香ちゃんに対しての思いは隠そうとしているのですが、「かわいい」と思わず言ってしまうシーン。それをごまかすしぐさがとってもかわいかったです。
上浦:「かわいい」とポロッと本音が出たところの声と表情の破壊力がすごかったですよね。そして私も、第1話のレズビアンイベントのシーンでのカンナさんは、“これは100人斬りだ”という衝撃がありました(笑)。
また、第3話で、「そんな思わせぶりなことばかり言ってたら本気にするよ」という弘子先輩のセリフがあるのですが、あれは第1話から第4話の中で唯一、弘子先輩から思わず仕掛けるシーンなんですよね。
弘子先輩は100人斬りしているぐらいのモテ女なので、本来は口説くこともたやすいはずなのですが、ノンケには手を出さないと決めており、彩香ちゃんの前ではずっと調子が狂い続けていて。その中で、お酒の力もあってか思わず“エース・弘子”が出るところなのですが、あのシーンのかっこよさには、さすがだなと感激しました。
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