高橋文哉が、8月9日に都内で開催された映画「ブルーピリオド」初日舞台あいさつに、眞栄田郷敦、板垣李光人、桜田ひより、石田ひかり、やす、萩原健太郎監督と共に登壇した。
映画「ブルーピリオド」は、2020年のマンガ大賞をはじめ数々の漫画賞に輝き、累計発行部数は700万部を突破した山口つばさによる同名漫画を実写化したもの。そつなく生きてきた主人公が、初めて夢中になれるものと出合ったことで世界が一変し、天才ライバルの出現や母親との衝突を乗り越え、国内最難関の美大を目指して奮闘していく姿を描く“勇気と本気”に胸が震える人間ドラマ。
高校2年生の矢口八虎(眞栄田)は、成績優秀で周りの空気を読みながら器用に生きていた。そんなある日、授業で与えられた「私の好きな風景」という課題に対して、仲間と夜明かしした後、自分にとっては“青く”見える静かな早朝の東京・渋谷の風景を、思うままに描いてみることに。この絵を通して美術の面白さに目覚めた八虎は、国内最難関の東京藝術大学の受験を決意する、というストーリー。高橋は八虎の同級生・ユカちゃん、板垣は八虎が美術予備校で出会う天才少年・高橋世田介、桜田は八虎に先輩・森まるをそれぞれ演じる。
登壇した高橋は「“ユカちゃん”こと鮎川龍二を演じました高橋文哉でございます。上映後で皆さま見た後ということで、そのホヤホヤの皆さんと意見交換できたらと思います。よろしくお願いします」とあいさつ。
トークセッションでは、キャスト陣が“個人的に熱さを感じたシーンやせりふ”について告白。高橋は「僕は、(ユカちゃんが発する)『悔しいと思うなら、まだ戦えるね』ですかね。自分が言っているので、その言葉を言うために人間性を作っていくわけですけど、ユカちゃんが“この言葉を悔しいと思っている人に言える人間”っていうことで、僕の役作りがすごく大きく進んだんです。『こういうことを言えるほど強い人で、人に愛を持っている人なんだな』と理解できたと共に、作中でのこのユカちゃんのひと言で八虎にもう一つギアをかけれたんじゃないかなと思うと、演じていた僕自身としてはすごく心に残っていますね」と述懐。
すると、言われた側の八虎を演じる眞栄田が「あそこで結構グッと距離が縮まったかなと思いますね。八虎とユカちゃんもそうだし、役者同士としても」と同調していた。
ほか、公開までのプロモーションを振り返り、高橋は「撮影現場で(眞栄田、高橋、板垣、桜田の)4人が一緒に集まることってなかったんですけど、プロモーションをたくさんさせていただいて毎週のように定期的に集まっていたので、最初の空気感よりも今の空気感の方がずっと良くて。距離感も近づいて仲も良くなったからこそ、撮影現場でのそれぞれの関係性が近過ぎなくて良かったなと。作品を見て『そこが生きているな』思いましたし、それぞれのキャラクターがそれぞれのキャラクターに思うことがあるからこそ、(距離が近過ぎていたら)性格のちょっとした部分とかが変わっていたかもしれないなと、プロモーションさせていただくたびに思っていました」と打ち明けた。
◆取材・文=原田健