コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、怒ると鬼に化ける女子高校生のきーちゃんと、もんもんの2人の友情を描いた物語「怒ると鬼になっちゃう女の子の話」をピックアップ。なお、本作品はサンデーうぇぶりにて読み切りの「きーちゃんともんもん」(小学館)が正式なタイトルとなっている。
作者の桐島豊さんが2024年8月3日にX(旧Twitter)に投稿したところ、6.6万件を超える「いいね」を獲得し、「良すぎ」「読んでよかった」「友だちを悪く言われて怒れるのって凄いな」など多くの反響が寄せられた。本記事では、桐島さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
きーちゃんは、怒ると鬼に変身するため、どんな理不尽にも怒らないよう努めている。自分の鬼の血を嫌悪し、学校でも耐えている。ある日、金髪のクラスメイトもんもんが教師に叱責されるが堂々と退室する姿を目撃する。
その後、教師経由でクラスメイトから大量の教材の返却を押し付けられるが、もんもんが助けてくれる。ある日、きーちゃんに草むしりを押し付けるクラスメイトに対して、もんもんが鬼の姿になり退散させる。翌朝、クラスメイトがもんもんを退学させようとするが、彼女は気にせず片付ける。
男子生徒がもんもんの髪を塗料で染めようとした瞬間、きーちゃんは鬼と化し塗料の容器を握り潰す。友達を守るために怒ることを決意し、「もう頼まれてもやらない」と宣言。クラスメイトは驚き、言葉を失うのだが…。
陰湿ないじめも見え隠れする、きーちゃんともんもんの深く友情の根幹に触れるドラマで、X(旧Twitter)上では「リアルの日本そのままじゃない…?」「鬼だろうと普通に人間として接したらいいのに」など、多数のコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。
――「怒ると鬼になっちゃう女の子の話」のモチーフはどのようにして生まれたのでしょうか?
「鬼のように怒る」や「鬼の形相」という言葉があるように、怒りの感情と鬼は非常に近い関係にあると考えています。そこから着想を得て、今回の「怒ると鬼になる」という設定に繋げました。
また、昔話に登場する鬼には、悪い鬼もいれば、良い鬼も存在していて、鬼=悪と単純に言い表せない奥深さがあると思います。そのような鬼のキャラクター性、鬼にまつわる話が子供の頃から好きなので、鬼は好きなモチーフの一つです。
――主人公のきーちゃんともんもんの友情と、鬼いじめをするクラスメイトが対比的に描かれています。ストーリー構成上、工夫された点はどこでしょうか。
きーちゃんの心境の変化に説得力を持たせるため、もんもんと出会う前のきーちゃんが、クラスメイトからいかに理不尽な扱いを受けているか… 息苦しい、可哀想な状況に置かれているかをしっかりと描写することを心掛けました。
その分、もんもんに助けられた際のきーちゃんの救われた気持ちも丁寧に表現しました。
――本作では、一度助けられたきーちゃんが勇気を出して友達のもんもんを助けるために鬼と化して立ち向かうところが印象的です。本作を描く上で桐島さんがこだわった点がございましたら、教えてください。
物語の最初で、きーちゃんが「怒ると鬼になる」という設定を説明しましたが、友達であるもんもんのピンチにおいて、初めてきーちゃんがクラスメイトに対して自分を出せたという瞬間を描きたかったため、あえて鬼になった姿は詳しく描きませんでした。
その代わりに、鬼になったきーちゃんの爆発的な力が伝わるよう、画面いっぱいに力強く表現することにこだわりました。
――本作で、桐島さんお気に入りのセリフやシーンなどがございましたら教えてください。
「地獄に落ちたって、後悔なんかしてやらない」というセリフです。
友達のために怒ることで、たとえ今後どんな理不尽な目に遭うことがあっても(たとえば地獄のような状況でも…)、決して後悔しないという決意を「鬼になる」という設定に沿って表現しました。後に続く「地獄に行こう、うちら2人で」というセリフも、あわせてお気に入りです。
――本作で、読者に注目してほしい点などがありましたら、お聞かせください。
鬼になった2人のデザインにも注目してもらえると嬉しいです!
いくつかデザインの候補を挙げ、担当さんと話し合いながら、現在のデザインに決まりました。格好良さを保ちつつ、荒々しさとがっしりした体格を表現できたと思いますので、ぜひ!
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
いつも作品を読んで、感想をくださり、ありがとうございます!定期的に読み返して、その度に元気を貰っています…!
その元気をこれからの作品に繋げていきますので、今後もよろしくお願いします。
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