【漫画】千葉の山中でイノシシやキョンの痕跡を探す…ガチの“狩猟体験”を描いた実話に「ええ話や」「とってもよいレポありがとうございます」の声

2024/08/30 08:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

人生の中でも衝撃的な出来事となった“狩猟体験”のレポート漫画画像提供/あおばさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、作者のあおばさんの狩猟体験を描いた漫画『狩猟体験行ってみたレポ』をピックアップ。あおばさんが、2024年7月16日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、2.6万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事ではあおばさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

2日間の狩猟体験で感じた命の尊さ

『狩猟体験行ってみたレポ』(2/13)画像提供/あおばさん


以前から狩猟に興味津々だったあおばさん。狩猟免許を取得して田舎へ移住し、スローライフを送るという妄想を最近よくしているという。

そんなあおばさんは、とある猟師のインタビュー動画で千葉県内で狩猟体験ができる場所があると知り、参加してみることにした。

2日間の狩猟体験には、男女合わせて9名が参加しており、女性の割合の方が多かった。自己紹介が終わると、千葉における野生動物と人間の関係性について学んだ。千葉では有害鳥獣が大幅に増えているだけでなく、猟師の減少が著しい現状にある。そのため、里山では人と動物の境が曖昧になりつつあるらしい。

特に千葉県南部で猛威を振るっているのは、「キョン」。台湾からやってきた外来種で、ある動物園から逃げ出した個体が元と考えられている。持ち前の強い繁殖力で、千葉県内で7万等にまで増えてしまった。草食性で、野菜をはじめ、花壇の花や庭木、希少な野草までも食べてしまうという。

一方、キョンの肉は淡白で非常に美味しく、原産の台湾では高級食材。また、キョンのなめし革は滑らかできめ細かく、弓道の「ゆがけ」や美容用品などにも使用されているらしい。

そんなことを学んだあとは実際に山へ入り、キョンやイノシシなどの動物の痕跡を探す。山歩きの後は、夕方の休憩タイム。希望者は自前のテントを持ち込みキャンプができるため、あおばさんはテントを設営した。その後は、ジビエ試食会。数々の珍しい料理が並べられていた。

ジビエ料理を楽しんでいると、気づいたら外は大雪。宴会がお開きになったあと、あおばさんは1人テント泊をするため、自分の拠点へ。雪で潰れたテントを立て直し、すぐさま寝袋へと潜り込んだ。

翌朝目が覚めると一面の銀世界。そんな2日目は、捉えた獲物を殺して解体して、試食をするというメインイベントが待っていた。水田の広がるあぜ道の先に見つけたのは、箱罠に掛かった2頭のイノシシ。

「これからトドメ刺しをします。心の準備をしてくださいね」と猟師さんが呼びかけた後、イノシシには「電気ヤリ」が打ち込まれ――。

この漫画を最後まで読んだ人たちからは、「ええ話や」「とってもよいレポありがとうございます」「俺達は命をいただいているんだな」「この世の全ての食材に感謝…」など反響の声が寄せられている。

読者に「自分もやってみたい、食べてみたい」と思ってほしい…

『狩猟体験行ってみたレポ』(8/13)画像提供/あおばさん


――『狩猟体験行ってみたレポ』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

元々、釣りやキャンプや山菜採取などアウトドアが好きで、その模様をレポ漫画という形でX(Twitter)で公開していました。自分のアウトドア趣味の最終的な目標は狩猟免許の取得かな、と考えていたので実際にその狩猟の空気を感じたいと思い狩猟体験に参加しました。その結果、人生観に大きな影響を貰えたのでその気持ちを皆さんに見てもらいたいと思った事、そして自分の気持ちを整 理して記憶と記録に残すため漫画に致しました。

――イノシシが絶命するシーンが特に印象的で、“生きる”とは何かを考えさせられました。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

狩猟には獲物のとどめ刺しや解体など一部グロテスクな部分もありますが、なるべく重い内容にならない様注意しました。代わりにジビエの美味しさや、狩猟をしなければならないという現状を伝える描写に重きを置きました。それでも、目の前でイノシシのとどめ刺しのシーンは「狩猟のリアル」としてしっかりと描写させて頂きました。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

初日、夕食にジビエを頂くシーンでそれぞれ食材となった動物は気合い入れて描きました。特にハクビシンを食べた時の感動は今でも忘れられず、ハクビシンを見る目が変わる体験でした。
セリフですと、最後の「命をありがとう、いただきます!!」はこの漫画のテーマの部分なので常に意識しながら制作しました。

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか。

自分が行った釣り、車中泊、キャンプ等の様子をレポ漫画として残しています。基本的に何か捕まえて食べたり、秘境へ行ってみたりなど身近な非日常を楽しむのがコンセプトです。釣りが空振りだった場合などは没ネタになってしまいます(笑)。

――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか。

なるべく面白おかしく、読んでくれた方が「自分もやってみたい、食べてみたい」と思って貰えればと思って描いています。生き物の描写はなるべく忠実に描く様に心掛け、関連する法律、マナーなども説明を入れる様にしています。

――今後の展望や目標をお教えください。

狩猟(ジビエ)、釣り、山菜採取、キャンプ、秘境探訪などやりたい事、見たい物、食べたい物は尽きません。今後も好奇心の赴くままに活動し、その様子をレポ漫画として発表していければと思います!

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

いつも作品をお読み頂きありがとうございます!自分の描いたレポ漫画を通して、釣りやキャンプ等の参考になれば幸いです!今後ともお付き合い頂ければ嬉しく思います!