現在放送中のTVアニメ『逃げ上手の若君』(毎週土曜深夜11:30-0:00ほか、TOKYO MXほか/Prime Videoにて毎週土曜24:00~見放題最速配信中)。同作は、週刊少年ジャンプにて連載中の松井優征による人気漫画が原作となっている。鎌倉幕府滅亡の後、北条家の生き残りである主人公の北条時行が動乱の世を駆け抜ける姿を描く冒険譚だ。本記事では、アニメのオープニング曲を担当するDISH//の北村匠海、矢部昌暉、橘柊生、泉大智にインタビューを行い、楽曲づくりやタイトルに込められた意味、そしてグループとしての音楽との向き合い方の変化などをきいた。
――今回、作詞・作曲も担当されたということで、その制作過程について教えてください。
北村:いつも二人(橘、泉)が作曲の基盤を作ってくれて、足りないメロディーがあれば僕がやることもあります。そこから景色がみえてきて、Cメロや必要なメロディーを追加で作っていくというのが大体の流れになっていますね。
橘:基本メンバーには、「二人が“いい”とするものは、僕らも“いい”とする」という形でお任せされていますね。今回は、まず原作をしっかり読ませていただいたうえで、「こんな感じがいいんじゃない?」と二人で案を出しながら作っていきました。「プランA」の大枠は丸一日ぐらいで形ができて、サビの部分も考えたんですけど、「もっといいサビがあるはずだ!」と思って匠海にも相談しました。
北村:今回のサビメロは僕が担当しました。実際、自分がボーカルなこともあって、この曲でどこまでのキーを出すか…みたいな部分は僕の方で作ったほうがよかったりもしますし。結果としてうまくハマって安心しました。
――アニメのタイアップ曲としては、初めての楽曲づくりだったと思います。通常の楽曲づくりと比べた難しさなどはありましたか?
北村:自分たちにとっても挑戦になるなと思っていました。タイアップの楽曲って、僕は“共有物”だと思っているんです。僕らのものでもあるし、『逃げ上手の若君』のものでもある。それが今後どんな場所になっても、変わらずにそうであるべきだと考えていて。だからこそ、どちらの個性もしっかり入れ込みたいなと思って進めました。
――そのうえで工夫した点などはありますか?
北村:とにかく、僕らDISH//と『逃げ上手の若君』の間に位置する曲にしたいという思いがあったので、言葉選びには工夫をしました。僕らと歴史を繋ぐ「教科書」というワードをあえて入れてみたり、自分たちの世界にあるものと、『逃げ上手の若君』の世界のものとを織り交ぜて歌詞を書いていきましたね。
――改めて、「プランA」というタイトルに込められた意味を教えてください。
北村:「逃げることが“第一の作戦(=プランA)”でもいいんじゃないか?」というところからきています。もともと、日々のなかで「逃げることは恥だ」というようなことをやんわりと植えつけられてるような感覚があったんです。でも、原作を読んで「逃げることが大事な瞬間もあるんだ」と強く思えて。そこで、「逃げること、それがプランのBじゃなくて、“プランのA”でもいいよね」ということでタイトルが決定しました。
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