田宮虎彦氏の小説をドラマ化した作品「別れて生きる時も」(1978年・全43回)が、BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)にて8月19日(月)昼5時より、毎週月~金曜で放送される。本記事では、刑務所あがりの父親を持つ女性の半生を描いた、本作のあらすじや見どころを紹介していく。
「大好き!五つ子」シリーズや「温泉へ行こう」シリーズなど、数多くの昼ドラを輩出してきたTBS系列の放送枠「愛の劇場」。今回BS松竹東急で放送する本作は、「愛の劇場」の中でも歴代視聴率第2位を記録した名作ドラマだ。
「足摺岬」「絵本」などを手掛けるベストセラー作家・田宮虎彦氏の同名小説が原作となっており、前科を重ねた詐欺常習犯を父親に持ち、数奇な運命をたどった女性の男性遍歴が描かれる。
そんな本作の主人公・塩崎美智役を演じるのは松原智恵子。都会的で可憐なイメージを持つ清純派女優として数々の映画やドラマに出演し、吉永小百合、和泉雅子とあわせて“日活三人娘”と呼ばれるほど人気を集めた名女優の一人だ。本作では、不遇な環境の中で周囲に裏切られながらも懸命に生き抜く女性の姿を健気に演じている。
舞台は昭和15年の京都。電話交換手として働く塩崎美智(松原智恵子)は、職場の課長に縁談の話を持ち込まれる。しかし美智は「当分嫁に行く気はない」と困惑した様子を見せる。実は美智は、“父親が前科を重ねた詐欺の常習犯で、刑務所に入っている”という秘密を抱えていたのだ。
美智は女学校を卒業する間際にその事実を知り、常日頃“人並みの結婚ができるわけがない”と思っていた。しかし美人の美智は多くの男性からアプローチされ、その度に逃げるように振り切っていた。父親のことで結婚に踏み切らない美智を心配する母親にも、「自分のことは心配するな」と明るく振舞う美智。
そんなある日、美智は名の通ったお寺の縁談をもらう。気乗りしないながらも週末足を運ぶと、案の定聞かれたのは不在である父親のこと。母親は「北海道で働いている」と何とか話を突き通した。その後、美智が縁談相手の顔を見ると、その相手は以前美智にアプローチをしてきた学生だった。
母親は良い縁談だと勧めるが、美智は「もし父が刑務所に入っていることを知られたら口もきいてもらえない」と拒否。それどころか、「京都から出て遠くに行きたい」と母親に告げる…。
翌日、母親は美智の保証人の男性に、「父親の素性を隠して何とか縁談を進めてほしい」と頼み込む。一度は了承した保証人だったが、あろうことか先方に美智のことを悪く言い、わざと破談させてしまう。実はこの保証人も美智のことを自分のものにしようとしていたのだ。そして間もなく、父親の出所が決まり――。
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