――先ほどのお話にも出ました、福原さんの役柄への反響も大きいですが、起用された理由は?
もともとキャスティングを考えるとき、その人のパブリックイメージとは異なるキャラクターをお願いするのが好きなのですが、今回のドラマ自体チャレンジングなものなので、キャスティングでも型にはまらないで、密子とは正反対のイメージの女優さんがいいなと。
福原さんは殺人鬼っぽいものもやっていらっしゃったりするのですが、直近でいえば朝ドラなどでの一生懸命がんばる女の子みたいな印象が強いですし、バラエティーで見せる素の感じもほんわかしています。そこで密子のようなダークなヒロインがハマれば面白そうだなとキャスティングしました。
最初は、「できるの?」「ハマるの?」というような声があったのですが、「見てみたらめちゃめちゃいい」という反響ばかりをいただくので、そこはすごくうれしいです!
――撮影に入る前など、福原さんと役作りでお話されましたか?
お話する時間はたっぷり取りましたね。衣装合わせ前にもお会いしましたし、衣装合わせの時もたくさんお話しました。そのなかで、キャラクターをつかむ助けになったのが、衣装と髪型です。トータルコーディネーター・本宮密子というミステリアスなところがあるキャラクター付けとして、ビンテージクラシックを衣装のテーマに置いていて、個性がある洋服で、色味も使って。またその洋服に合う髪型として、髪を結んだり、おろしたりというアレンジもしながら、いまのご本人は前髪が厚めではないのですが、前髪だけウィッグを使用してキャラクター像ができていきました。
そういった衣装を含めたビジュアルでお芝居の方向性がついたところがあり、いつもより意識して声を低くしたり、どういったしゃべり方にするかということをみんなで話して、そのなかでつかんでもらったという感じです。
――その福原さんとタッグを組む松雪泰子さんも最初はえぇーっと驚くような、いつもと違うビジュアルでした。
密子とタッグを組む今井夏は地味なところから密子によって変身させられて、思ってもいなかった九条開発の社長に立候補するという、一番変身しなければいけない役どころです。そういうビフォーアフターが描ける方がいいなと思っていたんですね。松雪さんというと、映画「容疑者Xの献身」(2008年)やドラマ「Mother」(2010年、日本テレビ系)のような幸薄そうな役、逆に映画「デトロイト・メタル・シティ」(2008年)のような強烈な役もできて、あとキャリアウーマンもイメージできますし、その振れ幅のある女優さんというところからお願いしたいなと。
ただ、松雪さんは元々が本当にお美しいので、ビフォーをどうするかというところをすごく話し合って、少し苦労したところでしたね。メガネにするというのはご本人からいただいたアイデアで、あとは、絶妙に丈が足りないチノパンみたいなのはどうかなどと、変身前の姿をかなり悩みながら作っていきました。
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