――キャスティングの反響でいえば、桜井日奈子さんも。
桜井さん演じる九条開発の秘書・千秋が、とても視聴者の皆さんに受け入れられていて! 密子とのやりとりが一番面白いくらいに注目していただいています。
桜井さんに関しては、少し前にHuluのドラマ「君と世界が終わる日に」でご一緒しているのですが、コメディエンヌの実力もとても高い方で、いかんなく発揮してほしいなという思いでキャスティングしました。「君と世界が終わる日に」では、今回の脚本を担当されている丑尾健太郎さんもご一緒だったのですが、桜井さんの面白さをすべて出すために千秋という役が生まれたというようなところがあります。
――なるほど。狙い通りといいますか、キャスティングがぴったりハマっていっているのですね。
それでいうと、夏の長男・智役の清水尋也さんもすごくいいですし、上杉柊平さんも最近は純朴な役が多かったのですが厭味ったらしい九条家の御曹司をファンの方にも喜んでいただいています。九条家長女役の志田彩良さんや夏の長女役の吉柳咲良さんもぴったりです。
――小柳ルミ子さんもラスボスのようで(笑)
ルミ子さんも九条開発の会長役があんなにハマるとは、と。オファーした時、お芝居をすごくやりたいと思っていた時期だったそうで、ご本人もモチベーションが高くて。それもあってラスボス感があるといいますか(笑)、あまりせりふがなくても、いるだけですごいみたいな感じになりましたね。
――物語では、4話以降、密子の謎の部分に迫ってガラッと雰囲気が変わったように思いました。後半の見どころは?
作品としてガラッと変わるというのが今回やりたかった話の構成でもあるので、全話を入口、中盤、出口みたいに3ブロックぐらいに分けた展開にしたいなと思っていました。密子でいえば3話までは謎めいた女性というだけでしたが、彼女の目的が分かったところから、だんだん彼女の人間らしさが出てきたり、葛藤したりして、彼女の内面が暴かれていくのが、注目ポイントかなと思います。
――後半はサスペンス要素をいっそう楽しめる?
そうですね、密子が追う事件の真犯人は誰だというような考察要素も増えていきます。
かわらしい世界観の中でサスペンスをしたいというのがそもそものイメージであったんです。柔らかいものの中でトゲトゲしいことをする、みたいな。きれいなものほどトゲがあるじゃないですけれど、それによって怖く見える効果を狙えればと。美術セットや衣装はかわいくして、中身はサスペンス含めてけっこうドロドロという、物語と映像でギャップを作ることもチャレンジしたかったことです。
あと、まさかすぎるんですけど(笑)、恋愛軸もけっこう入ってくるんです。3話で少し匂わせたところがありましたが、後半盛り上げていく予定です。今井家vs九条家の争いを含めて人間関係がどんどん広がっていきますので、楽しんでいただきたいです。
取材・文=神野栄子
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)