舞台『千と千尋の神隠し』ロンドン公演の“舞台裏”を映し出す…「舞台『千と千尋の神隠し』ロンドンへ飛ぶ」の見どころに迫る

2024/08/17 12:00 配信

芸能一般

舞台「千と千尋の神隠し」よりJohan Persson

橋本環奈上白石萌音をWキャストで主演に迎え、2022年に東宝創立90周年記念公演として初めて舞台化された舞台『千と千尋の神隠し』。2024年4月からは、ロンドン・ウェストエンドのロンドン・コロシアムにて初の海外公演がスタートした。そしてこのたび、動画配信サービス・Huluではロンドン公演の舞台裏を描いたドキュメンタリー番組「舞台『千と千尋の神隠し』ロンドンへ飛ぶ」を、8月17日(土)から見放題独占配信する。そこで本記事は、同番組の内容や見どころについて紹介していく。

ロンドンサイドから熱烈なオファーを受けて海外公演が実現した 舞台『千と千尋の神隠し』


アカデミー長編アニメ映画賞を獲得するなど、世界中から評価されるスタジオジブリ作品「千と千尋の神隠し」(2001年公開)。本作は、「レ・ミゼラブル」オリジナル版の演出を担当したロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアードが翻案・演出を担当し、2022年に日本で初めて舞台化された。

本舞台は、高い舞台成果に対して上演関係者一同が「第47回菊田一夫演劇大賞」を受賞。観衆からも高い評価を得ると、イギリス・ロンドンから熱烈なオファーを受け、約2300席の客席数を誇る劇場“ロンドン・コロシアム”で上演を開始した。

そして今回、Huluにて配信が決まった「舞台『千と千尋の神隠し』ロンドンへ飛ぶ」は、4カ月間135公演を重ねるロンドン公演の舞台裏を追ったドキュメンタリー番組となっている。

そもそも、演劇慣れしているロンドンの観衆に対し、日本原作の作品をそのまま日本語で表現し評価されるのか?日本とは異なる環境にキャストやスタッフは実力を発揮できるのか?

イギリスと日本の共同作業となるロンドン公演では、準備を進める中で、2つの言語によるコミュニケーションの弊害や仕事のペースの違い、舞台セットのトラブルなど、数々の試練が映し出される――。

舞台の裏側で起きる苦労や問題を“リアル”に映し出した「舞台『千と千尋の神隠し』ロンドンへ飛ぶ」


ロンドン公演初日まで56日。ロンドンの地に降り立ったキャスト・スタッフたちは、さっそくプロモーション撮影や舞台セットの準備に入った。ロンドンの街や神秘的なホールの雰囲気にワクワクしながらも、文化の違いからトラブルも発生していく。

日本のステージとサイズが異なるロンドンの劇場においては、1から作り変えなければいけないセットもあった。また稽古が始まっても、舞台装置の音が大きすぎたりと、次々に困難が襲い掛かる。

本番組の見どころは、コミュニケーションエラーやトラブルなどを隠したりぼやかしたりせず、可能な限り“リアル”に映し出している点だ。キャストやスタッフもその時々に発生したことに対して、生の声を聞かせてくれている。視聴者が心配になるほど大小のトラブルが発生するのだが、それでもキャスト・スタッフ陣は決して妥協することなく、プロフェッショナルな姿を発揮する様子は「さすが」としか言いようがない。

また、考え方・言語による問題やトラブルなどが発生する中で、リン役の妃海 風がロンドンスタッフに「ごめんね」と声をかけて相手を気遣ったり、スタッフ同士で楽しそうに談笑したりと、現地スタッフたちとの関係性を深めようと努力する姿も必見だ。

実際に日本人スタッフの舞台監督も、現地スタッフとうまくコミュニケーションをとるためのポイントを語る。そのコメントも注目だ。自分たちの意見を強引に押し付けるのではなく、相手の気持ちや考え方に寄り添いながら円滑に物事を進めようとする日本人スタッフたちの姿からは、“思いやり”が感じられる。

舞台「千と千尋の神隠し」よりJohan Persson