劇団☆新感線の30周年記念興行・春バージョン、新感線☆RX「薔薇とサムライ〜GoemonRock OverDrive」の製作発表が1月18日、都内で行われ、W主演を務める古田新太、天海祐希、演出家のいのうえひでのり氏、脚本家の中島かずき氏、劇中歌の作詞を手掛けた作詞家の森雪之丞氏が登壇した。
本作は、同劇団が'08年に上演した「五右衛門ロック」のパラレルストーリー。17世紀ヨーロッパの架空の小国を舞台に、海賊・石川五右衛門(古田)と謎を抱えた海賊・アンヌ(天海)が時に協力、時に反目しながら陰謀に立ち向かう冒険活劇。同劇団の公演には生バンドの演奏が入るミュージカル風の“音モノ”、笑いの要素が強い“ネタモノ”があるが、今作は音モノ(=“RX”シリーズ)。W主演の2人に加え、山本太郎、神田沙也加、橋本じゅんら豪華キャストが歌やダンス、アクションを繰り広げるエンターテインメント大作だ。
同劇団の主宰者でもあるいのうえ氏は「パッとしない世の中だから、せめて劇場くらいは楽しいお祭り的な公演にしたくてこの作品をやろうと思いました」と狙いを明かす。さらに、「インチキミュージカル然とした空気になればいいなと思い、比較的ミュージカル界でも異物感のある…というと失礼ですけど(笑)、すてきな人をゲストに呼びました」とキャスティングの意図を話す。
脚本を手掛けた中島氏は「こだわったのは天海さんの衣装。女海賊、男装の麗人の軍服・甲冑、そして貴婦人。これらの服をいかに着せるかにこだわって、ストーリーを作りました」と楽しげ。劇団☆新感線の作品に携わるのが3作目となる森氏も、「天海さんの良さが出るよう、おもしろい歌、男前な部分が出る歌、そして泣ける歌とかいろんなパターンを書きました。天海さんにも、天海さんのファンにも期待してもらいたい」と胸を張る。
周囲の絶賛を浴びた天海は、恐縮しながらも「この作品でいっぱいいっぱいになるくらい楽しい時間を過ごしたいと思います。1人でも多くの方に見ていただきたいです。コスプレもありますよ(笑)」としっかりアピール。「阿修羅城の瞳」('03年)以来、2作目の客演だが、「劇団☆新感線の舞台に出させていただくからには、皆さんと素晴らしいものを作り上げたいし、大きなモノを持って帰りたい。ただ、試される場でもあると思うので、プレッシャーを感じています」と心情を告白した。
一方、看板俳優でもある古田は「30周年に関係するのは、(劇団を立ち上げた)いのうえだけ。いつもの公演の1つとして一生懸命頑張りたいと思います」とクール。むしろ、「実は天海さんは宝塚(歌劇団)時代からのファン。実家にブロマイドもあります。今回はガッツリ組んで芝居をするので私生活でもスキャンダルにならないようにしたい(笑)」と共演の喜びを語り、笑いを誘った。しかし、「音モノ、ネタモノは劇団員としても楽しみ。分かりやすい内容なので、お客さんにも喜んでいただければうれしいですね。(ことし50歳を迎える)いのうえが半世紀生きてきた記念に、皆さんと一緒に誕生日パーティーをできればと思います」と意気込みを語った。
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