2017年9月2日・3日に、ストリートダンスの世界大会“WDC(WORLD DANCE COLOSSEUM)2017”が開催された。今年で9回目を迎えるWDCのファイナルは東京・Zepp DiverCity Tokyoで行なわれ、国内・海外屈指のダンサーが集結し、そのバトルを一目見ようと多くのオーディエンスが会場に詰めかけた。今回から新たに中国予選も加わり、さらにワールドワイドな世界大会になったWDC。日本はダンス強豪国に入るので、世界と銘打つイベントも増えてきたが、このWDCはその先端を行く正真正銘の日本"初"のダンスバトル世界大会だ。世界各国から強豪ダンサーが集まるWDCは、ダンスレベルの高い日本人ダンサーといえど簡単には優勝できない大舞台。今年はどんな激戦が繰り広げられたのか!? “WDC 2017”のバトルシーンをレポート!
WDC(WORLD DANCE COLOSSEUM)は、年に1回開催される日本初のストリートダンスバトルの世界大会。バトルは2on2形式で戦い、ソロムーブだけでなくパートナーとの連携を生かしたルーティンなども見所のひとつ。日本中で予選が行われ、勝ち上がったダンサーや世界で実績を持つダンサー達が集まり、熱いバトルを繰り広げる。今年から中国予選も開催され、さらに規模を広げており、世界のダンス活性化にも貢献している世界大会のひとつだ。
バトルの勝敗を決めるジャッジも日本だけでなく世界のダンサーを招待し、今年は
【BREAKIN'】Zooty(韓国)、Wuta(日本)、Tatsuro ski(日本)
【HIPHOP】Rochka(フランス)、Rubber band(アメリカ)
【POPPIN'】Boogie Frantick(アメリカ)、ACKY(日本)
【LOCKIN'】TONY GOGO(日本)、MASATO(日本)
の9名が担当。日本のダンスシーンだけでなく世界を納得させるダンスを見せないと勝てない大会なのだ。
BREAKIN SIDEは他のジャンルと違い、ベスト8のトーナメントからスタート。日本のブレイクダンサーは世界大会でも優勝するし、世界トップクラスに位置している。この日も5つの日本人チームがベスト8に残っていたが、世界のブレイクダンサーのレベルも同じくらい高かった。次々、海外ダンサーたちに敗れていく日本人たち。やはり世界の壁は大きく、またダンスはバトルをしてみないと分からない。そんな面白さをのっけから見せてくれた。
決勝の舞台に上がったのは、中国代表のBboy Chanse&Bboy quickとアメリカ代表のTeam Monster(Gravity&Boxwon)。中国のブレイクダンサーのレベルが未知数であったが、予想を超えるスキルで勝ち上がったBboy Chanse&Bboy quickはパワームーブ、ルーティンと自分達の持つすべてを出し切る。対してTeam Monsterは初戦から貫き通している、目にも止まらぬ高速フットワークとアクロバットを入れたパワームーブでジャッジの印象とオーディエンスの歓声を集めていった。
印象的だったのは、中国チームがTeam Monsterに触発されて自分たちが持っている以上のムーブを出していた姿だ。これぞダンスバトルの醍醐味だと思う。Team Monsterも実力が未知な相手との対戦を楽しんでいたし、何よりも自分たちのブレイキンを出し切っていた。
そんな熱量の高いバトルを制したのは、圧倒的なムーブを連発したTeam Monster。勝敗が決まったあと、中国のBboy Chanse&Bboy quickがTeam Monsterの勝ち名乗りをしていた姿に、オーディエンスは大きな拍手と歓声を送っていた。
やはり日本のKIDSダンサーは世界的に見ても最強だと思う。実力もそうだが、シーンが育っているというのが大きい。ベスト4に残ったのは、日本3チームと中国1チーム。そして、決勝戦に進んだのは、中国代表を倒した心優弥(MiYU&優弥)とGrandSlam(HiYORI&Ri∀)の日本対決となった。
“JUSTE DEBOUT 2017”のKIDS SIDEで優勝した優弥とエグくて黒いHIPHOPをかますMiYUが、GrandSlamに猛攻を受けるが、倍返しでムーブをキメていく。特にRi∀の戦闘力がすごく、1ムーブ目では心優弥に目線でケンカを売り、3ムーブ目ではHIPHOPでかましながら接近戦に持ち込んでくる。勢いあまりRi∀のダンスがMiYUに当たってしまい、MiYUが倒れこむシーンも。ただ、MiYUもその気迫を買ってか、倒れこむのもダンスっぽく演出し、バチバチなバトルにしようと応えていたのがエンターテイナーだ。他にもHiYORIのLOCKを優弥がLOCKで返したり、ルーティンの応酬があったりとお互いの意地が交差した熱いバトルであった。
そんなバチバチバトルを制したのは心優弥。優弥はKIDSラストのWDCをMiYUと共に悲願の優勝で飾った。
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