この日、公演を終えたキャスト陣の囲み取材が行われ、イベントの感想などを語ってもらった。
――イベントを終えた感想をお聞かせください。
中川晃教「ミュージカルは西洋のもので日本人にとっては敷居が高く感じられるものですが、近年仲間たちがお茶の間にミュージカルの魅力を届けていて、そのおかげでミュージカルが浸透していっているのではと感じています。今回、ミュージカルというジャンルと日本のエンターテインメントを合わせた番組を作ってみてはどうかという話をいただいて、実現したのが今日のステージでした。思いを言葉にしていると誰かが聞いてくださっていて、今回のように実現するんだなと感じて嬉しくなりました」
加藤和樹「今回の催しが放送されるとのことで、画面越しでも今日のライブ感が伝わってくれたら、と思います。ミュージカルは世界中に広がっていて韓国でも人気が出ているので、日本でももっと広がって、見に来てくださる皆様のより身近なものになってほしいです」
唯月ふうか「作品や役、ジャンルを飛び越えていろいろな方々と一緒になれるのがコンサートの良さだと思っています。歌を歌うだけじゃなくみんなでダンスを踊ったり、一つの曲に対して一緒に作り上げる楽しさは、すごく充実したものでした。これからもこういうコンサートが続いてほしいですし、また私も出たいなと思いました」
辰巳ゆうと「普段、演歌界で活動しているとなかなか味わえないような、一緒に一つの作品を作り上げる楽しさを経験できました。ここで学んだことを演歌界でどうやって取り入れていくか楽しみになりましたし、私自身ミュージカルも好きで出演したいという夢があるので、その夢が大きくなりました」
新浜レオン「こんな温かい初挑戦、普通はないと思うんですけど、スタッフの皆様もリハーサルの時から温かく迎えてくださって感謝しかないです。いろいろなことを学べたので、僕にとってはかけがえのない引き出しになりました。またご一緒できるように頑張りたいです」
――ステージではダンスなどもされていましたが、かなり練習されたのでしょうか?
中川「実は今日、1時間半ほどかけて、振り付けの練習をさせていただきました」
加藤「辰巳くんとかどうでした?」
辰巳「あんまり覚えてないです、必死過ぎて。僕は導いてくれる加藤さんを見ていて、加藤さんが間違えた時は知らんぷりをしながら自分はちゃんと踊って…」
全員「笑」
中川「ダンスはエッセンスだけでも取り入れるだけで、ただ棒立ちで歌うのとは変わってくるし、フォーメーションやスタイルも経験できるのですごくいいですね」
加藤「僕はダンスが苦手なんですけど、振付師の人に『ダンスもせりふなんだよ』と言われて、踊りも表現の一つとして何かを語りかけているんだと気付いてからは、努力するようにしています」
唯月「前に言われたんですけど、ダンスって感情の延長線上で動くと憶えやすいんだそうです。私も先生に説明されてから踊れるようになりました」
――演歌を歌っている辰巳さんと新浜さんにとって、ミュージカル楽曲は歌う上でどんな難しさがありましたか?
辰巳「声の出し方も表現の仕方も違う部分がほとんどだと思うので、演歌とミュージカルは近いようで違う。だから、一から勉強させてもらうつもりで練習しました。ただ、普段はこぶしをずっと回しながら歌っているので、こぶしを回さずに歌うのは演歌歌手にとっては難しいですね。演歌っぽさを出さないことが一番大変でした」
――演歌歌手である2人の挑戦を見ていかがでしたか?
加藤「『ミュージカル界にぜひ来て』とは言うものの、実際に来られたら怖いなって感じてます。二人の歌声が韓国の発生方法にすごく似ていて、しっかりと習得されたらすごいことになるぞってミュージカル側の僕らからしたら危機感を覚えますね。でも、二人にも新しい世界を感じてもらいたいし、見にくるお客様にも感じてもらいたいと思うので、二人には期待しています」
中川「誰もが口ずさめるポップスを普段歌われている二人がミュージカルの洋楽を歌っていてすごいと思ったのは、『アイ・ウィル・フォロー・ヒム』のときに歌声の力って言語は関係なく伝わるんだなって。だからフレッシュな二人が若さだけじゃなく実績と勢いでミュージカルと化学反応を起こせているのは、すごいチャンスだと思っているので、ぜひその先を見せてほしいなと思います」