9月2日(月)より、累計発行部数31万部超の人気BL漫画を実写化したドラマ「ハッピー・オブ・ジ・エンド」(毎週月曜深夜2:55-3:55予定 [2話ずつ放送]、フジテレビ/FODにて毎週月曜[2話ずつ]独占配信、放送終了後TVerにて1週間見逃し配信)が放送・配信される。同作は、壮絶な生い立ちを抱えるミステリアスな美青年・ケイト(別名:ハオレン)と、ゲイであることを理由に家族から拒絶され、すべてを失った人生どん底の青年・千紘による、切なくも美しいラブストーリー。居場所のない2人が、最悪な出会いから共同生活を始め、葛藤しながらも次第に心の距離を縮めていく。スタートを前に、ケイト/ハオレン役にして本作が初主演となる沢村玲(ONE N’ ONLY)と、千紘を演じる別府由来が、本作への思いを語った。
――今回演じる役の印象を教えてください。
沢村:最初はハオレンをどう表現すればいいんだろう…という戸惑いのほうが大きかったです。人柄が見えず、クールな性格なので、自分とはかなりギャップを感じました。僕はだいぶおしゃべりなほうなので(笑)。
別府:僕にとって千紘役は挑戦でした。今までやってきた役は自分に似ている部分が多くて、イメージできたんです。だけど、千紘は根本的に似ている部分はあるけど、あの明るさは僕にはなくて。だからこそ原作の千紘にどれだけ近付けられるか、そして、ハオレンがいかに千紘を好きになってくれるかを意識して演じていました。
――演じる上で最も気を付けていたことは?
沢村:ハオレンは、相手に気持ちをどう伝えたらいいか分からない不器用な人。壮絶な生い立ちのせいで、「寂しい」という言葉すら忘れてしまっているんです。まずは、ハオレンの芯となる部分の方向が変わってはいけないので、その都度どういう経緯があってこうなっているのかというベースをよく考えて演じました。そんなハオレンが千紘に感情というものを教えてもらって徐々に理解していく様子は、見てくれる人にちゃんと伝えたいと常に意識していました。
別府:僕は千紘とハオレンだったら、ハオレンのほうが自分に近い部分があると思うんです。だから、自分がハオレンだったら、千紘にどんなことをされたらうれしいかを考えて挑みました。そして、特に大事にしたのは「ハオレンへの思い」と「ピュアさ」です。千紘が動かないとハオレンは動かないので、いかに千紘がアクションを起こすか。何があっても、一途にハオレンを思う気持ちを忘れないように演じていました。
――BL作品の中でも異色ともいえるほど“闇”の部分を描く作品ですが、演じていて発見したことは?
沢村:人間模様は分かりやすく伝えることが大事だと思いました。最初、ハオレンは感情的な部分や過去が見えない人ですが、そこが少しずつ明らかになることで、見てくれる方は彼の内面に深く入り込んでいけると思います。彼が千紘と出会い、“無”からだんだん人としての自我を取り戻し、印象が変わっていく模様と、それを引き出してくれた千紘との関係性は、見てくれる方にも楽しんでいただければと思います。
別府:表と裏はどちらが欠けてもダメだとあらためて知ることができました。人それぞれ表面的に見せている部分と見せていない部分があると思うんです。この作品もそうで、その人の明るい部分だけでなくダークな部分もある。だからこそ人はその先の光を求めて生きるってことなのかなと学ばせてもらいました。それに、物語に出てくるキャラクターって、完全な悪って少ないと思うんです。あまり裏側が描かれていないキャラクターでも、悪になったのには理由がある。そういった人間模様が皆さんのもとに届いたらいいなと思っています。
――作中では、ハオレンと千紘の出会いのインパクトが大きいですが、お二人が初めて会ったときのお互いの印象を教えてください。
沢村:この作品のお話を頂く前に、偶然同じ友達を介して会っていたんです。
別府:偶然同じお店にいて、共通の友達から声をかけられて。一瞬だったのもありあまり覚えていなかったんですけど、この話を頂いたときに、「名前に見覚えがあるぞ…あのときの人だ!」となって(笑)。ある意味運命的でした。でも、実はそれより昔に会っているんです。僕が事務所に入りたてのとき、イベントであいさつをさせてもらって、一緒に写真を撮ってもらいました。そのとき、一緒にいた母親が「かっこいい!」って興奮していたのを覚えています(笑)。
沢村:僕もあまり覚えてなかったんですけど(笑)、現場で再会したら、別府くんはすごくはきはきしていて元気で。現場に入ってすぐに演じられたのはそういうおかげもあるかなと。
別府:現場初日は、沢村くんのことはビジュアルも寄せていたこともあって「ハオレンだ!」と感動しました。お互い緊張もしていたし、「本当にそのままなんだな…」って思っていたけど、日が経つたびに印象が変わっていって。カメラが回るとハオレンですが、沢村くん、オフではよくしゃべるので(笑)。
――お二人の出会いが運命的だったとのことですが、芸能生活における“運命の出会い”は?
沢村:別府くんとの出会いもそうですが、主役として現場に立つことの難しさを知ることができたという意味でも、まさに今回の作品が僕にとって運命でした。自分だけの考え方で役を演じるのではなく、客観的な視点も必要だと思っていたので、別府くんだったり、古厩(智之)監督やプロデューサーさんなど、いろいろな方のおかげで初めてこの役の自分が出来上がったと思います。本当に自分にとって宝です。もちろん、音楽や他の現場でも転機になったものはありますが、僕個人として見ると、この作品が一番転機になったと思っています。
別府:僕は高校生の頃、今の事務所に落ちてしまったことが転機だったと思います。最初、今の事務所にスカウトされたのに、写真撮影の審査で落ちてしまったんです。そこから一度美容師になったけど、この仕事を諦められなかった。だから「もう一度挑戦できませんか?」と、自分から電話をかけて今に至ります。もしもあのときすんなり受かっていたら、もっと調子に乗ってしまっていたかもしれない。そして今、この作品に出会えていなかったかもしれない。あの経験があって学ぶことができたのは大きかったと思っています。
沢村:それはすごい!経験が増えると守りに入ることってありますよね。これが本当によくないと思っていて。大人になると自分ではそれに気付けない。そういう熱い思いって大事だと思うし、別府くんがそこを持っているのは、一緒に芝居をしていても感じました。すごく刺激になりました。
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