結果的に、密子は警察に通報しなかった。いや、できなかったのだ。通報すれば九条家を追い込むことはできるが、その代わりに千秋の人生が犠牲になってしまう。姉が九条家にいわれのない罪や責任を押し付けられたことを知る密子は、同じように千秋を傷つけることはできなかった。密子は、千秋との食事を断ろうとしていた遥人に「せめて今日だけは、誠意をもって向き合ってあげてください」と告げた。
夏を通して密子の思いを知った千秋。遥斗との食事後に密子の元を訪れると、クローゼットの中に遥人の写真がたくさん貼られているのを見つけた。それは姉の恨みを晴らすため、密子が密かに調べ、思いを募らせてきた証だ。「私もずっとその男を見てきました。千秋さんとは違う感情で」と密子。
すると、その写真の一角に千秋が写ったものがあった。「最初にあなたの存在に気付いたとき、とてもきれいな人だと思いました。こんなにも純粋に、人を思うことができる人がいるなんて、どこか羨ましいとすら」。それを聞いた千秋は「あんたって実は不器用なのね…」とつぶやいた。そして「通報しないと」と迫る千秋に、密子は「別の手を見つけるまでです」と返すのだった。
翌日の社長選は遥人が優勢かと思われたが、美樹が自分を陥れようとしていたことに密子によって気付かされた九条家長女・玲香(志田彩良)と玲香派の役員たちが夏を支持。夏と遥人、両方の支持者が5人ずつで社長選は持ち越されることになった。
九条家に逆らったことで秘書室をお払い箱になった千秋は、夏らのいる地下倉庫でしばらく過ごすことに。遥人のそばにいられなくなったが「なんかすっきりした」と言う千秋には、“新しい推し”ができていた。かばんの中に忍ばせていたのは、新たに作った密子のアクスタだ。
密子の優しさを目の当たりにし、「気が付いたら推している」状態になった千秋。遥人のことを隠れて連写するなど、好き好きオーラが出ている千秋はかわいかったが、密子をかわそうとしてもどこか詰めが甘くてやりこまれてしまう様子もまた憎めなかった。
SNSには「千秋さんの推し変更は笑った」「推しできるとアクスタ作っちゃうのかわいい」「密子推しになってくれたの嬉しい!」「密子と千秋のコンビ、推せる」「推しに理由はないは確かに」といった声が寄せられた。新たな関係になった密子と千秋が今後どのような姿を見せてくれるのか楽しみだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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