モーニング娘。'24 石田亜佑美「楽しいを続けるより新しい挑戦を」居心地の良さを捨てた卒業の決断を語る

2024/08/27 18:00 配信

音楽 アイドル インタビュー

「最強」と「最器用」な面を打ち出す「最KIYOU」


――両A面のもう1曲「最KIYOU」はうって変わってアップテンポなナンバーです。作詞は児玉雨子さん、作曲・編曲は大久保薫さんで、ハロー!プロジェクトファンにはお馴染みの2人です。

生田:この曲は「なんだか〜」より先に届いて、順番で言ったら新体制になって最初に聴いた新曲です。そのタイトルが「最KIYOU」で、何だかちょっと嬉しかったです。「今のモーニング娘。を見て! 最強だよ!」と言葉で言うことは簡単でも、それを楽曲で届けるというのはなかなか難しいこと。そうしたことにも繋がりますが、私的にとても嬉しかったのは、17期メンバーがBメロソロパートのすごくいい場所を歌っていたり、15期メンバーのフェイクから曲が始まっていたり、そういう新たなモーニング娘。の顔が全面的に詰まっていることです。後輩メンバーが最強の顔になって頑張ってくれることで私自身も頑張ろうと思えるし、モーニング娘。全体がとても力強く見えるので、グループのこれからの成長がより楽しみになりました。

石田:「最KIYOU」はモーニング娘。的には新しめな曲。モーニング娘。っぽくないような曲だと私は思っていますが、前作シングル「Wake-up Call~目覚めるとき~」の印象が強い人には前回に続いてラップがあることで、「これがモーニング娘。だ」と思うようなんです。それってモーニング娘。の形がつねに変化しているというか、つんく♂さんが見出してくださる面だけでないモーニング娘。の顔を、こういう曲によって引っ張り出してくれているんだと思います。そうした感覚で言うと、「最KIYOU」も新しい一面を見せられる攻めた楽曲だと思います。

櫻井:題名と歌詞の意味も面白いですよね。いただいたときに、「サイキヨウ?」と思ったんですよ。この題名で、「サイキョウ」と読むのか「サイキヨウ」と読むのか。歌詞にも「最強」と「最器用」があるので、どっちか分からないみたいな話をしていたんです。結局「サイキョウ」が正しいと聞きましたが、まずそこから2つの解釈があるのがすごく面白くて。最強な私たちを見せられる曲でもあるし、最器用な私たちの歌声とダンスを届けられる楽曲でもあるんだなと思いました。この曲、「Wake-up Call~目覚めるとき~」に続いてラップがありますが、あのときのラップは過去のモーニング娘。の楽曲、歌詞や曲名が入っているというものでした。けれど、「最KIYOU」は、とにかく自分たちの気持ちをラップに乗せるという歌詞で、それが私的に“最強”に格好いいと思うポイント。そして、ラップもすごいというところで、“最器用”な私たちを伝えられる曲だと思います。

――こちらのレコーディングはどうでしたか?

生田:言い方がちょっと難しいんですが、大きい声を出す、叫ぶといった感じのシーンが多くて、サビもどちらかというと格好よくよりは、力強くなんですよね。それもあって私的には「この子ってこんな声を出せるんだ」というのも聴こえるし、2番サビ前の私のソロパートは自分ではないように聴こえるというか。ファンの方からもそういう風に言っていただけるので、レコーディングはいつもとは違う歌い方を頑張ったなと思います。

石田:今回のレコーディング、私の次が野中だったんですよ。少し聴こえたんですが、やっぱりラップの英語発音が良すぎて。私もすごく頑張ったけど、ネイティブには勝てないです(笑)。最終的にはラップパートは野中の歌割りになって、これも今までの楽曲にはないところ。このラップは確かに印象に残るだろうなと思いました。

――櫻井さんはどんなところを頑張りましたか?

櫻井:私は滑舌を(笑)。別に滑舌が悪いわけではないんですが、「サイキョウ」と「サイキヨウ」がしっかり別に聴こえるように歌わないといけなくて、他にもひと文字ひと文字が切りよく聴こえるようにする箇所が幾つかあって、滑舌はかなり頑張りました。あとは音程を合わせるのも難しくて、特に1番Aメロの「機嫌くらい取りにこいよ Boy」という部分の音程にとても苦戦して、信じられないくらいテイクを重ねました。完成した歌割りでそこが私のパートになっていたのでだいぶ焦りましたけど、ライブを重ねるごとに安定してきたので、もっとうまく歌えるように今後も育てていきたいパートになりました。

モーニング娘。'24、74枚目のシングル「なんだかセンチメンタルな時の歌/最KIYOU」ジャケット※提供写真


生田衣梨奈の鉄人伝説…加入から13年以上もライブ、イベント、握手会を無欠席


――「最KIYOU」にちなんで、皆さんの最強ポイントを教えていただけますか?

生田:私は運動神経、身体能力です。ゴルフの仕事、他にもアクロバットや運動神経を出す場面がけっこうあって、子どもの頃から運動関係で困ったことがないんですよね。先日もプロ野球のセレモニアルピッチをさせていただいて、野球のボールに触れるのは初めてだったんですが、練習の成果で本番はノーバンで投げられました。本当に持って生まれた身体能力には感謝していて、私の最強ポイントだと思います。

石田:私はライブがすごく楽しそうなところ。やっぱりステージに立っている自分が一番好きで、人生の中で一番輝いていると思うぐらい自信がある場所です。そういう自分への思いも込めて、私の最強ポイントと言ってあげたいです。

櫻井:私は最強のポジティブ人間です。ネガティブなことは絶対に考えない。例えば加入時には先輩から注意やアドバイスをたくさん受けて、普通だと“しゅん”となりがちでしょうけど、私はしっかり修正しよう、これでもっとうまくなれるって、前向きに考える性格なんです。とにかくくよくよしたくなくて、嫌なことがあっても、それはそれで経験になったと考えた方がいいじゃないですか。

――最強ポイントでこちらから挙げさせていただくと、生田さんは加入して14年目。ライブやイベント、握手会はもちろん、その他の仕事も一度も休んでいないと聞きます。最強の鉄人ではないですか?

生田:運がいいんです(笑)。インフルエンザも罹ったことはあるんですよ。でもその時期に表に出ないといけない仕事がたまたまなくて。それこそ過去には声がカスカスのときもありましたし。でも、安静時期の間はたまたまスケジュールがなくて、本当に運がいいんです。実は1回だけ、雑誌の撮影を休んだことがありますが、結局その日は向こうの予定がずれて、未遂で終わったという(笑)。

――とは言え、疲れ知らずで頑丈な体だと思います。スタイルも加入からキープしていますし、健康面ではどんなことに気をつけていますか?

生田:好きなものを好きなだけ食べる。これ、一番大事です(笑)。以前は野菜嫌いだったので健康に気を遣って我慢して食べていましたけど、いつの間にか食べられるようになって、今は苦手なものは全くないですね。

有名な弁当ルールは? 生田リーダーになってからの変化


――生田さんリーダーになっての新体制。自分がリーダーになってのグループの変化、変えたルールというのはありますか?

生田:自分で意識したわけではないですが、明るくなったとは言われますね。後輩たちが成長したからだと思いますけど、自信がみなぎって、前よりもすごく輝いていると言われます。意識して変えた部分だと、ライブ前、円陣のときのひと言です。ダンスの一列目を揃えたいとか、MCでの注意とか、意思疎通をしっかり作るために、今自分が気を付けていることをみんなに伝えようと思い、始めたことです。

――ちなみに、バラエティー番組などでよく話題に上がる“弁当は先輩から”のルールは今もそのままですか?

生田:あれはもうずいぶん前に消えました(笑)。私は食べたいときに食べていいよと言っています。今思えばですけど、あのルールはあのルールで面白かったなと思いますけど(笑)。先輩が食べてないからって食べるのを我慢したり、取っていいのかな?って、じっとお弁当を眺めていたり。そのときの自分たちを思い出すとなんか笑っちゃいますね。

櫻井:昔は先輩と後輩の距離感なのかと思いますけど、今はみんなの距離感が近いから、普通に声掛けしてからいただきますね。特に生田さんなんか、残ったものでいいよと言ってくださるし。むしろ早い者順になっているかもしれません。

生田:温かいものが冷めたり、冷たいものがぬるくなったりするのが本当に嫌なんですよ。ご飯は美味しいうちがいいから、食べたい人から食べてくれればいいなって思います。

モーニング娘。'24、生田衣梨奈撮影=宮川朋久