本作では、キャスト陣による迫真の演技にぜひ注目したい。主人公・タイジ役の仲野は、自分の殻に閉じこもっていた過去を捨て、次第に周囲とかかわろうとする様子を、繊細な表情の変化で見事に表現している。
ちなみに、仲野は以前インタビューにて「歌川さんの佇まいや、他愛もない会話の端々にヒントがあって、キャラクターを知る中で意図的に芝居に組み込み、表現につなげていきました」と役作りについて語っていた。
そして、光子を演じる吉田羊は迫力のある演技が光る。これまで“献身的な母親”や“バリキャリ”など好感度の高いキャラクターを演じることが多かった吉田が、劇中で「あんたなんか生まなきゃよかった」と冷徹に言い放つ姿は印象的だ。一見憎まれ要素満載の役どころだが、“虐待”という行動の根底にある心情や些細な仕草などからは、“タイジが光子のことを愛さずにいられない理由”が伝わってくる。
中でも、タイジが光子の本当の気持ちを引き出す瞬間は、思わず胸が熱くなるシーンとなっている。また、タイジにとって“一筋の光”となるような友人たちの存在も欠かせない。タイジと接する中で垣間見える森崎や白石、秋月の優しくて温かみのある演技は、心が救われるような気持ちにさせてくれる。
「涙が止まらなかった」「人生のバイブルの一つになる作品」「人間関係に悩める人にぜひ見てほしい」など、各著名人らも絶賛コメントを残した本作。動画配信サービス・Huluでは、映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」を見放題配信中だ。
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