与田祐希“リコ”の「正義」が、立ち退き問題で分断してしまった小向家を救う鍵<量産型リコ>

2024/08/28 19:57 配信

ドラマ レビュー

立ち退き問題に対して2対2での対決の構図に


由里香は「不便な田舎より都心のマンションで快適なアーバンライフをしてみたい」、香絵は「この家、冬が寒すぎる」と、環境の変化を求めているようだ。

反対派の浩一郎と侑美、賛成派の由里香と香絵。なぜか意見を聞かれなかったリコをのぞいて、2対2での対決の構図となり、まさに小向家分断の危機が訪れた。

翌日、由里香は掃除をしながらため息をついてばかり、侑美と香絵は何もしゃべらず、家の中は険悪な空気が漂っている。

それを遠巻きに見ていたリコは、いたたまれなくなって矢島模型店へ。

やっさん「“どちらも正しい”2択を選ばなければいけない時がある」


矢島模型店のやっさん(田中要次)とアルバイトのアオ(石田悠佳)も小向家のことを気にしてくれていて、やっさんに意見を聞かれたリコは「賛成に1票、反対に1票」と、どちらとも決めかねている様子。

どちらの意見も一理ある。そんなふうに思ったリコにやっさんは「人生には“どちらも正しい”2択を選ばなければいけない時がある」と決断は必要なことだと話すが、リコは「厳しすぎ。選べる気がしないです」とお手上げ状態だと返した。

やっさんが「選ぶために、リコはリコの正義を見つけよ」とリコにアドバイスするが、「やりたい仕事、見つけるより難しいかも」とやはり自信なさげな様子。

そこで、「これを作ってみろ」と言って、一つのプラモデルの箱を出してきた。

プラモデルを作りながらリコは“正義”を見つけられたのか?


それはアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」より「HG 1/35 ランスロット・アルビオン」だった。

作品の中で、世界の3分の1を支配する超大国「神聖ブリタニア帝国」に支配された日本は“エリア11”という名前に変えられた。やっさんは“エリア11”を“十一町”と重ね、このプラモデルを出してきた。そして、ルルーシュとスザクの2人の登場人物が背負うもの、2人にとっての“正義”について触れ、どちらも正義であり、悪にもなると説明し、「リコ、正義を見つけるんだ」と背中を押した。

「ご開帳!」し、プラモデルを作り始めるリコ。「本当に失いたくないものは遠ざけておくものだ」「間違った方法で手に入れた結果に価値はないと思うから」「甘えるな みずから動かない限り、そんないつかは絶対に来ない」など、やっさんはリコにプラモデルづくりの指南をしつつ、劇中の名言を放っていく。葛藤を抱えながら作っていたリコだったが、「そんないつかを迎えに行きます」と力強く返した。

作ったプラモデルにいろんなポーズをつけて、それを父、母、姉、妹に重ねて想像するリコ。

「コードギアス、反逆のルルーシュ、ランスロット・アルビオン、ギブバース!」と完成させたリコは、“正義”や“家族”について改めて考えた。

次回、いよいよ最終回。家族の意見はまとまるのか? 立ち退き問題はどうなるのか? リコはリコ自身の“正義”を見つけられたのか? そして、どんな結末を迎えるのか気になるところだ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部