映画初主演の関哲汰「一つの作品の影響力というものを強く感じているところです。人生を変えられました」

普段の僕はすごくしゃべるし、何ならうるさいんです(笑)。そんな自分をちょっと封印して、撮影の合間もなるべく1人でいる時間を増やしていました

今作がきっかけで筋トレを始めた哲太さん   撮影=諸井純二


――今作で哲汰さんが演じるのは、戸籍を持たず、ケンカ最強の称号「拳王」の座を手に入れようと奮闘する鷲田隆です。そのキャラクター性の役作りに関して「不安だった」と先ほどおっしゃいましたが、どのように進めていったのですか?

鷲田が映画の中で食べたり飲んだりするものをまずは取り入れました。普段食べない魚肉ソーセージを毎日食べたり、飲めないブラックコーヒーを注文したり。自分が普段しないことをすることで、そのにおいとかを感じて役に少しでも入り込めたらなって。あとは台本に描かれていない過去のバックボーンも想像して作り上げて、自分なりにキャラクターをより固めていきました。趣味は○○だ、とか。

――なるほど。ちなみに哲汰さんがイメージした鷲田の趣味とは?

趣味というか、「意外とペットが好き」みたいな(笑)。腕っぷしが強いだけだと人として奥行きがあまりないように感じて。意外とかわいいとか、実は優しいところもあるんだっていうギャップもあるといいなって。それが直接生かせるシーンはなかったですけど、どこかしらに滲み出ていたらいいなと思います(笑)。あとビジュアルの部分で言うと、髪はあえて染めずに“プリン状態”のまま臨みました。ちょうど伸びて黒い部分が見えていたんですけど、鷲田はお金がなくて頻繁に染められないっていうところがその部分から伝わるといいなと思って。バンテージの巻き方も初めて習って、本番までにひたすら家で練習しました。

――鷲田は劇中でほぼ笑顔を見せることのない、かなり陰のあるキャラクターだと思います。その辺りは演じてみていかがでしたか?

さっきもお話したように、普段の僕はすごくしゃべるし、何ならうるさいんです(笑)。そんな自分をちょっと封印して、撮影の合間もなるべく1人でいる時間を増やしていました。人としゃべると、どうしても気持ちがそのときの話題に引っ張られたりするので…。自分のことは1回忘れて、鷲田になりきってやっていました。僕は演技経験が浅いので、撮影の前にパッとスイッチを入れるみたいなことがまだ難しいんです。徐々に作り上げるやり方のほうが合っていたし、やりやすかったです。

――そういう現場の居方も、普段、グループでいるときとは真逆ですよね。

はい。ワンエンのときの僕とは全然違ったと思います。やたら端の方に行ったり、わざと人のいない場所を選んでいましたから。孤独にずっと一点を見つめたりしていたので「この子、大丈夫か?」って思われてたかもしれない(笑)。

映画の撮影中もメンバーに会うと楽しくて役を引きずることはなかったそう   撮影=諸井純二


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