宮世琉弥、見上愛の座長っぷりを称賛「こんなにすてきな人がいるんだってうるっときました」<恋愛バトルロワイヤル>

2024/08/30 08:30 配信

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作品が恋愛について考えるきっかけに

――お互いの両親とのシーンも印象でした。

見上:(吉田)羊さんは本当のお母さんという感じでした。実際、共演回数も多かったので安心感のある状態で臨ませていただいて。アドリブも多かったのですが、中学生や高校生の頃に自分の肉親としたケンカを思い出しました。あのころは制御もできないので普段言わなくていいことを言ってしまったりして、思い出したくないけれどその記憶って一生残っているんです。その気持ちを再び思い出させてくれたというか。羊さんの佇まいがいつ見てもお母さんだったからできたシーンだと思います。

宮世:僕は父親役を石黒(賢)さんが演じて下さったのですが、脚本の段階から最悪な父親だと思っていたら、お芝居が始まると真木の前でお母さんのことを罵倒したりして…。休憩中に普通に優しく話しかけてくださるのですが、それに耐えきれず「トイレに行ってきます」と席を外したりしました(笑)。本当の石黒さんはすごくいい方なので、ここまで思わすことが出来る石黒さんの演技は本当にすごいです。

――この作品を通じて改めて恋愛について考えましたか?

宮世:この物語は、恋愛を通してLGBTQなどのさまざまな悩みが描かれているので、悩みを抱えている方たちの背中を前向きに押してくれると感じました。話が進むにつれて恋愛に対しての唯千花の思いは変化していくのですが、最初のころの唯千花の気持ちが分かる人もいれば、恋愛してからの唯千花の気持ちが分かる人もいて…。みなさんがこの作品を通じてどう感じたのか知りたいです。

見上:最後まで見ると、唯千花は少し大人になっています。恋愛をすることは人とすごく関わることであり、それと共にものすごく自分自身の内面を見つめ直す行為が生まれてきます。そしてそれが自分自身の成長にとても大きな役割を果たしていく…。

とくに自我が確立していない高校生のころは、色んな出来事や人との出会いが今以上に刺激的で大きな影響があったことを改めて思い出しました。この作品は、恋愛の良さと危うさのどちらも描かれているのが面白いなと思いました。

人生の大きな決断は「事務所に入ったこと」「大学への進学」

――今回は、男女交際禁止という校則がある学校が舞台でしたが、お2人が通っていた学校に変わった校則はありましたか?

見上:私の学校はそもそも校則がなかったです。その代わりに、自主規制という校則とはまた違った決まりごとがたくさんあって。それを生徒と学校の間に立って変更する仕事をしていました。細かいことは忘れてしまいましたが、確かバックには色や質感の指定が細かくあったのでその幅を増やしてください、などと掛け合った記憶があります。高校生ならではですよね。

それにしても今回の制服はかわいかった! 自分に合わせて作ってもらったのでラインもぴったりで、贅沢な制服でした。

宮世:グレーと紫というのも意外で、この作品の世界観にスッと入れる衣装だと思いました。

――唯千花も真木も大きな決断をしていきますが、お2人がこれまでした大きな決断を教えてください。

宮世:やはり事務所に入ったことです。僕は宮城県出身で、震災復興のときに芸能人の方々がたくさん来てくれて元気をもらえたんです。そのときから、いつか自分もそういう活動ができたらとこの業界に憧れていました。

ただ生半可な気持ちでできないことは母から言われて分かっていたので、「それでもがんばりたい、両親にも協力してもらいたい」という旨を話しました。両親の協力なしではここまでできなかったので、本当にありがたいです。

見上:私は大学を決めたときです。中学生のころから観劇が好きでいずれは演劇関係の仕事に就きたいと思っていたのですが、大学に入るためには演劇経験が2年必要ということが分かって…。とりあえずハンドボール部から演劇部に転部したのですが、あと1年どうしよう…ということで、今の事務所の養成所に入って演劇の経験を積みました。

結果的に今の仕事につながっているのですが、その1つ1つが大きな決断だったと思います。そして私も家族が支えてくれました。だから唯千花が大きな決断をしたときに、お母さんが味方になってくれたのがうれしかったです。

――家族の愛も描かれている本作ですが、改めて世界各国で見られるのは楽しみですね。

見上:日本だけではなく世界でも個人の主張が盛んになってきている今、このような作品に携われたのはうれしかったです。唯千花を含めてキャラクターたちの成長を楽しんでいただけたらと思います。

宮世:Netflixの日本製作では初めてのオリジナル学園ドラマになるということで、世界配信されてからの、海外の方の反応が気になります。どういう視点でどういうところを珍しいと思ってくれるのか楽しみです。

取材・文/玉置晴子
撮影/友野雄

見上愛
ヘアメイク/豊田健治
スタイリスト/下山さつき

<衣装>
トップス・パンツ共にヴィーエル・バイ・ウィー、イヤカフ(ゴールド)、イヤカフ(ゴールド&シルバー)、リング(チェーン付きダブルリング)、リング(パール)全てソムニウム、その他、スタイリスト私物

宮世琉弥
ヘアメイク:礒野亜加梨
スタイリスト:鴇田晋哉

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