<転スラ>オールスター大集結の前夜祭、フレイ&シュナが“激おこ”な理由とは…

2024/08/29 18:40 配信

アニメ レビュー

アニメ「転生したらスライムだった件 第3期」第67話より(c) 川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会

怖さと優しさが同居するフレイの魅力が爆発!


続けて会場入りしたのは、魔王であるミリム・ナーヴァ(CV:日高里菜)一行。元魔王のフレイ(CV:大原さやか)やカリオン(CV:内匠靖明)、さらにそれぞれの従者たちもやってきて会場は一気に賑やかに。ところが、リムルがフレイに鳥料理は食べられるかどうかを聞いたことで会場の空気は一変。激怒するフレイに対し、即座に彼女に謝罪することによりことなきを得たのだった。じつはフレイが怒って見せたのは半ば演技であり、リムルの誠実な人間性を目の当たりにしたことで、それがミリムの成長にも繋がっていることを改めて確信したのだった。

ミリム御一行のシーンは、いつもとは違う正装姿のミリムもキュートなのだが、それ以上にフレイの独壇場だった。フレイは以前からミリムのお目付役ではあったものの、ミリムやカリオンが震え上がるほど怖がっていたのは意外で、彼女の怖さが際立っていた。またそれと同時に、彼女の優しさもまた光っていた。ミリムの成長を促すためにリムルを試すなど、主人を想う気持ちは本物で、まさに怖さと優しさが共存したフレイの魅力が爆発したシーンだと言える。ちなみにフレイが「鳥料理」に敏感に反応したのは、彼女の種族が有翼族(ハーピィ)だからで、自分たちが鳥と同格に扱われたことへの抗議と言える。また、このようなセンシティブな問題については一切おちゃらけず、真剣に謝罪したリムルもまた素晴らしい。なにかと失言の多いリムルではあるが、ここぞという時の真摯な対応こそ、彼が周囲から信頼を集める理由なのだろう。

シュナ渾身の「料理」と「演説」に貴賓たちも感心しきり


前夜祭もいよいよ佳境へと突入し、会場にはシュナ渾身のフルコース料理が提供される。リムルやシュナのここでの裏ミッションは、ミリムの側近であるミッドレイ(CV:伊丸岡篤)を「料理」で魅了すること。しかし肝心のミッドレイは、食べる前から料理は自然の恵みへの冒涜と言って耳を貸さない。リムルたちが困惑するなか、シュナは静かに怒気を放ちながら、ミッドレイの前に一皿のスープを突き出す。「具材」とは「種族」であるというシュナの言葉と圧に気圧され、ミッドレイがスープを一口飲むと、そのあまりの美味しさに衝撃を受けるのだった。シュナはさらに、国同士の関係をコース料理に例えることで来賓者たちをも感心させるなど、ミッション達成以上の活躍を見せるのだった。

このシーンはシュナの微笑みギレからの名演説がハイライトではあるが、同時にミリムの成長にも注目したい。ミッドレイのあまりに頑固すぎる態度を見かねたミリムは、彼を別室に移動させようかとリムルに提案したのだ。昔のミリムであれば、その場の雰囲気などどこ吹く風だっただろうが、ちゃんとほかの客人たちの気持ちに配慮しているあたり、成長が見て取れる。まだまだ子供らしい言動も目立つミリムだが、やはりフレイの読み通り、リムルのそばにいることが好影響を与えているのかもしれない。いずれにしても今回は、フレイやシュナ、ミリムと、『転スラ』の女性キャラの怖さと優しさが詰まったエピソードだったように思う。さて、最後はリムルの演説もバッチリと決まり、いよいよ開国祭本番がスタート。次回第68話(第3期20話目)「開国祭」は8月30日(金)放送予定。期待して待とう!

■文/岡本大介

アニメ「転生したらスライムだった件 第3期」第67話より(c) 川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会