コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、課長が新人社員に「優秀さ」以上に仕事を取る上で重要なことを諭してくれる物語「新人が仕事を取るのに一番大切なことを教えてくれる課長の話」をピックアップ。なお、本作品はサイコミで連載中の「今どきの若いモンは」(著:吉谷光平//出版:小学館)の第295話に収録されている。
作者の吉谷光平さんが2024年7月29日にX(旧Twitter)に投稿したところ、2万件を超える「いいね」を獲得し、「めちゃくちゃ学びになる」など多くの反響が寄せられた。本記事では、吉谷さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
人が新人に仕事を任せる時、大切な何かを他人に「託す」時、最も重要な判断要素は何かと恵比寿課長から問われた新人社員の木村は、「優秀な人」と答える。恵比寿課長は優秀さを認めつつ、それだけに固執するのは悪手と指摘する。最も大切なのは「信用」であり、信用さえあれば新人でも仕事を任せられると説く。
恵比寿課長は、信用を「花」に例え、優秀さは花を支える「茎」、見た目は「花びら」と説明するが、根が腐れば全てが枯れると言う。「根」は何かと問う木村に対し、恵比寿課長は「気配り」が「水」であり、「根」は教えてはならないが、それを理解できれば他の社員を超えられると諭すのだが…。
なんとか実用的に優秀になりたい新人に対して、花に例えて最も重要なことを優しく説くビジネス漫画で、SNS上では「細かいけど、どんな場所でも気を使える人は仕事でも声をかけられるよね」など、多数のコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。
――「新人が仕事を取るのに一番大切なことを教えてくれる課長の話」のモチーフはどのようにして生まれたのでしょうか?
サラリーマン時代の上司からの教え、そして漫画家として駆け出しの頃の経験からだと思います。当時「実績、実力がないので小さい約束を守る以外出来ることが無いな」と感じました。
――「優秀さ」に固執する木村に対して優しく穏やかに諭す課長が対比的に描かれています。ストーリー構成上、工夫された点はどこでしょうか。
今のアラサー世代が考えていることを追体験できるような展開を意識しています。アラサーアラフォー世代は共感できて、若手は上司の考えの一端が分かる、かけはしのような内容になると良いなと思っています。
――本作では、信用という「花」に課長が例えたとき、「根」は自身で身をもって学ぶべきで教えることではない、と諭すところ印象的です。本作を描く上で吉谷さんがこだわった点がございましたら、教えてください。
恵比寿課長が心の底から部下(木村)のためを思って伝えている。と読者の方にも伝わるように。と心がけました。
――本作で、吉谷さんお気に入りのセリフやシーンなどがございましたら教えてください。
「これは私が教えてはいけない。ご自身で気づくしかないのです。」のシーンがお気に入りです。
――本作で読者に注目してほしい点などがありましたら、お聞かせください。。
スタッフさんの描いて下さった背景に注目してほしいです。どの背景も素晴らしいのですが、特に花、枯れている花の絵は職人芸です。是非ご覧ください!!!
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
いつも「今どきの若いモンは」を読んでくださってありがとうございます。これから麦田には更なる試練が待ち受けている予定です。今まで以上に読み応えのある内容になっていきますので是非お楽しみに!これからも何卒よろしくお願いいたします。
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