コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、くらげバンチに掲載中の、原作:阿部ベアさん、漫画:伊藤遥人さんの作品『#違法ガール 履歴書に書けない私の裏バイト』より『リフレガール編 第1話』をピックアップ。
漫画担当の伊藤遥人さんが2024年8月20日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1.2万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、原作の阿部ベアさん、漫画担当の伊藤遥人さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
日本において売春行為は違法で、風俗においても「本番行為」は禁止されているが、違法である売春行為に罰則規定がないことを知っている女性たちにとって、売春は合法という認識だった。
大学生の加奈子は、友人のエリから効率の良いバイト「リフレ」を勧められる。カラオケでアルバイトをし、月に10万程度稼いでいた加奈子は、ある日、母親から月に10万くらいお金が欲しいと言われる。その理由は弟が私立の大学に行きたいと言い出したことだと言う。
加奈子自身の学費を心配すると、奨学金もあるし大丈夫だと言い張る母親。結果カラオケのアルバイトを増やすことにした加奈子だったが、出勤を増やしてもたいして収入が増えることもなく、身体はきつくなるばかりだった。
そんな時、大学から学費未納の除籍予告がメールで送られてくる。母親に訴えるもどうにもならないと悟った加奈子は、エリから勧められた高収入のバイト「リフレ」に手を出すこととなるのだった。
作品を読んだ読者からは、「親ガチャ外れ」「昔のこと思い出して辛くなっちゃった」など、反響の声が多く寄せられている。
――『#違法ガール 履歴書に書けない私の裏バイト』は、原作が阿部ベアさん、漫画を伊藤遥人さんが担当されていますが、この作品を描くきっかけや理由などがあればをお教えください。
阿部ベア:職業柄変わった仕事や趣味を持つ方と会う機会が多いのですが、中でもいわゆる夜職の世界は独特なルールやスタンスが当たり前のように蔓延していて、とても面白いと思っていました。
自分はレトロゲームが好きで、その界隈の最新情報をSNSや怪しい掲示板から仕入れたりしていて、最初に原作のオファーをいただいた時はそういう世界の漫画があったら読みたいなと考えていました。
しかしあまりにもニッチな趣味なので、取材がしやすい、また関係者の知人も多くいるということで、レトロゲーガールから違法ガールへと変遷していきました。
ある業界関係者の方が「ヤンキーも夜職もオタクも、根は近いものがある」と言っていたのですが、違法ガールの世界の取材をすればするほど、確かにそうかもなと思うようになりました。
伊藤遥人:昨年コミックバンチで新人賞を受賞したのですが、その後なかなか新しい企画を出せずにいたところ、「#違法ガール」の作画のお話をいただきました。本当にとても魅力的な作品なので、この船に乗せていただけてとても光栄に思っております。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
阿部ベア:ストーリーやキャラはすべて創作なのですが、界隈の方が読んだ時に「これ、絶対〇〇の話じゃんw」と思ってしまうようなリアリティあふれるプロットになるよう意識しています。
伊藤遥人:たくさんありますが、原作の阿部先生が意図しているものからなるべく外れないように、なるべくリアルな空間を作れるように気をつけています。
また「こーいう奴、こんなこと言いそうだなー」っていう部分をこだわって書いているつもりなのでそこも見て欲しいです。笑
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
阿部ベア:「リフレ嬢やリフレ客の溜まり場」と言われている場所に実際に行って、さらにその場所を伊藤先生が味わい深い絵にしてくれて、すごく嬉しかったです。
伊藤遥人:この先配信される、2話のラストにお金が降ってくるようなイメージのシーンがあるのですが、個人的にとてもカッコ良いのではないかと思っています。
――Xの投稿には、読者の方から「続きが気になる」などの声も上がっています。今後の展開の見どころをお教えいただけますか?
阿部ベア:私は漫画、ゲームともいわゆる成り上がりの展開が好きで(この作品に登場する人物は必ずしもそうはならないんですが)、初めて創作した自分なりの成り上がり展開がうまくいっているといいなと思っています。
伊藤遥人:今後、阿部先生の緻密な取材による、より深い違法ガールの世界をご案内いたします。
それと同時に、主人公たちがどんな人生を送っていけるのか、ぜひご期待ください!
――お二人のご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
阿部ベア:本業(ライター)と違ってリリースまでにかなり時間がかかるので(本業は翌週とか翌日とか)、もう少し漫画仕事の時間を増やしたいなと思ってます。思ってるだけで今は割とのんびり生活しているのですが……。
伊藤遥人:僕個人として、「#違法ガール」がデビュー作ということで、まだまだやりたいこともたくさんあります。もっとたくさんの作品を、もっとたくさんの方々にお届けできるよう頑張ります。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
阿部ベア:自分が世に出したものに関して、これまではほぼ批判や誹謗中傷しか受けてこなかったので(笑)真面目な分析やツッコミなどとても励みになります。なるべく読後は前向きになれるような創作をしていきたいので、今後ともよろしくお願いします。
伊藤遥人:「#違法ガール」は話数を追うごとにどんどん面白くなっていきます!
コメント等も全て読ませていただいておりますので、たくさん読んでもらってたくさんのコメントをいただけると嬉しいです!
これからも「#違法ガール」をよろしく願いします!!
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