「インサイド・ヘッド2」ヒットの理由は?キスマイ宮田らの高評価に呼応し共感拡大 INIファン達の“推し活”も好影響 作中でも“推しキャラ”登場など時代にマッチ

2024/09/04 07:10 配信

映画 コラム

日本でも共感を集めている「インサイド・ヘッド2」(C) 2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

“推し活”ブームもヒットにつながった


思春期のライリーには“秘密の推しキャラ”がいるが、日本も今や“推し活”全盛の時代。何なら自分が“推している人が推している人(キャラ、作品)”までも「推しの推しは(自分にとっても)推し」精神でまとめて推してしまうくらい。そのおかげで推しが多い人の財布事情は大変そうだが、だからこそこの映画のヒットにも一役買っているのではなかろうか。

例えば、ディズニー大好き俳優で知られる風間俊介は「この映画はライリーとその感情達の物語であるのと同時に、私たちの物語でもあります。観た後に、自分を好きになれる映画『インサイド・ヘッド2』。幸せな気持ちになりたい人、ぜひ観て欲しい。自分を好きになりたい人、絶対に観て欲しい」と作品の公式サイトに感想を寄せていたが、それを受けて「風間くんがそう言うなら見たい」「幸せな気持ちになった」とファンが呼応。

Kis-My-Ft2・宮田俊哉が「自分が思春期だった頃も自分の中では、こうやって新しい感情が生まれたりしていたのかな?と思うと懐かしい気持ちにもなり、改めて親孝行をしなくちゃ!と思える作品でした。僕はポーチーが好きです!笑」と同じく公式サイトにコメントを発表すれば、「宮っちの言う通り、親孝行したくなった」「確かにポーチーかわいかったw」と共感したり、ファンが“推し活”の一環として宮田のグッズを持って劇場に足を運んだり。それも“推しの推しは推し”の流れだろう。

「インサイド・ヘッド2」より(C) 2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

応援サポーター・INIの存在も大きい


さらに、今作の“応援サポーター”を務める11人組グローバルボーイズグループ・INIの存在も大きいのではなかろうか。INIといえば6月にリリースした6thシングル「THE FRAME」が初のミリオン達成で勢いに乗るグループ。高校入学という人生の転機を迎え、巻き起こる感情の嵐に悩む主人公・ライリー同様、オーディションが“人生の転機”であり、オーディション中にヨロコビ、カナシミなどさまざまな感情を乗り越えたことが作品のメッセージである「どんな感情も、あなたの宝物になる」を体現しているということで応援サポーターに選ばれた。特にメンバーの池崎理人は幼い頃からピクサー作品が大好きだったと公言しており、情報解禁時には「いつかピクサーに入って働きたいと思っていたぐらいなので、応援サポーターになれたのはうれしいです。自分の夢だったことに関わらせていただけるので、感動しています」と、コメントしていたガチ勢だ。(※池崎理人の「崎」は「立つ崎」が正式表記)

彼らのファン(=MINI)もそれは当然知っており、「絶対見に行くね」「うちの推しが推しているピクサーの仕事ができているんだから応援しよう!」「またディズニーさんの仕事ができますように」「次の仕事につなげるために何回も見に行く」「応援のつもりで見たら面白かった」といった具合に、“応援サポーター”を応援するためにMINIが劇場に駆け付ける、という現象も。

特にMINIは熱量たっぷりに応援することでも知られており、映画を見に行くだけでなく、SNSなどに本件に関する投稿やコメントをたくさんするなどして盛り上げている。ディズニー・スタジオ公式YouTubeチャンネルで公開されているINIの「感情たちがあふれ出す」特別映像のコメント数は870を超える盛り上がり具合だ。そういうところからもファンの熱さ、推しと一緒に作品を盛り上げたいという思いが伝わる。

それだけなく、本国のキャストや日本版声優を推すファンの存在も忘れてはいけない。ヨロコビ役の小清水亜美、カナシミ役の大竹しのぶ、ムカムカ役の小松由佳、ビビリ役の落合弘治、イカリ役の浦山迅に加え、続編で成長したライリー役の横溝菜帆、新しいキャラクターであるシンパイ役の多部未華子、ハズカシ役のマヂカルラブリー村上、イイナー役の花澤香菜、ダリィ役の坂本真綾、ライリーの“秘密の推しキャラ”役で中村悠一武内駿輔花江夏樹がキャスティングされており、日本版エンドソングはSEKAI NO OWARIが担当。それぞれが多くのファンに支持されるスターであり、そのファンも同様に推し活していることを思えば、やはり“推し活”という要素も大ヒットに貢献していると見て間違いなさそうだ。

劇場での上映期間は限られているので、気になっているけどまだ見られていない人は「推しは推せるうちに推せ」と同様に、暑くてダリィと言わずに見られるうちに見に行くのが賢明だろう。

◆文=森井夏月

「インサイド・ヘッド2」ティザーポスター(C) 2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.