目黒蓮“夏”との決断で、有村架純“弥生”が紡いだ過去の言葉が巡る脚本の妙<海のはじまり>

2024/09/03 11:40 配信

ドラマ レビュー

夏と弥生の別れ、「ドラマ史に残る」名シーン


夏にその決断を伝えた弥生。夏と海といることは、最初は居心地が良かったというが、次第に水季の存在を感じるようになって、つらくなっていった。第3話にあった「外野」と感じる疎外感が生まれたのだ。

約4分に及んだ弥生の涙ながらの告白。最後の「やっぱり私は月岡くんと2人でいたかった」という本音が胸に迫った。

「海ちゃんのお母さんにはならない」という弥生の選択に対し、「3人が無理なら、どちらか選ばなきゃいけないなら…海ちゃんを選ぶ」という夏の選択は少し残酷にも思えた。ただ、弥生はその言葉を聞いて、「良かった」と力なくだがほほ笑んだ。共に自分の幸せを選んだのだ。

別れを切り出されても“今日”のうちはまだ恋人。夏は弥生と手をつなぎ、駅までの道を歩いた。久しぶりの海と水季のことが出てこない、2人だけの何でもない会話。駅についても別れがたい時は“今日”が終わっても続いた。「終電があるうちは“今日”だよね」との弥生の言葉が切なかった。

容赦なく訪れる別れのとき。夏は駅のホームで、弥生は電車の中で、号泣した。そのバックで流れたback numberの主題歌「新しい恋人達に」の「誰の人生だ」と繰り返される歌詞が響いた。

「もらい泣きした」「号泣」「涙が止まらない」と視聴者の声が相次いだ夏と弥生の別れ。「この1話を切り取ってもドラマ史に残る1話だったと思いました」「ドラマ史に深く深く刻まれたな」という投稿もあり、タイトルが世界トレンド1位に、そして共感やエールの言葉がつづられて「弥生さん」もTOP5圏内にランクインする大反響となった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部