<逃げ上手の若君>声優・東地宏樹の怪演が凄まじい… 新たな敵・瘴奸の外道っぷり、グロテスクな描写に視聴者戦慄

2024/09/03 16:06 配信

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アニメ「逃げ上手の若君」第八回が放送©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会

TVアニメ「逃げ上手の若君」(毎週土曜深夜11:30-0:00ほか、TOKYO MXほか/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)の第八回が8月24日に放送された。諏訪領の北端・中山庄で出会った少年・吹雪とともに敵を迎え討つ時行たち。極悪の限りを尽くす新たな敵・瘴奸に時行は吹雪から教わった剣技で立ち向かう。(以下、ネタバレを含みます)

「逃げ上手の若君」


本作は、「魔人探偵脳噛ネウロ」「暗殺教室」で知られる松井優征が週刊少年ジャンプ(集英社)にて連載中の歴史スペクタル漫画を原作としたTVアニメ。鎌倉幕府滅亡の後、北条家の生き残りである主人公の北条時行が動乱の世を駆け抜ける姿を描く冒険譚だ。

アニメーション制作は「SPY×FAMILY」や「ぼっち・ざ・ろっく!」などを手掛けるCloverWorks、監督は「ワンダーエッグ・プライオリティ」で副監督を務めた山崎雄太、シリーズ構成は「その着せ替え人形は恋をする」の冨田頼子、キャラクターデザインは「劇場版ポケットモンスター ココ」で総作画監督を務めた西谷泰史が担当。奇才の製作陣が、美麗かつ迫力のある映像で歴史の一片を紡ぐ。

瘴奸の外道っぷりに戦慄


諏訪領の北端・中山庄へと向かった逃若党。そこで北条時行(CV:結川あさき)たちが出会ったのは、吹雪(CV:戸谷菊之介)という名の少年だった。小笠原勢により大人たちを殺され、その後も襲われ続けている村を、遺された子供たちとともに守り続けていた吹雪。逃若党は、兵法にも通じる吹雪と協力し、敵を迎え討つ作戦に出る。

対して村を狙うのは、“悪党”として恐れられた男・瘴奸(CV:東地宏樹)が率いる「征蟻党」。彼らは小笠原貞宗(CV:青山穣)に雇われ、諏訪領の村を次々と襲っては大人たちを殺し、子供たちは生かして人身売買にかけていた。

厄介なのは、彼らがただの賊とは比較にならないほどの戦術と組織力を持ち合わせていること。ゆえに吹雪が仕掛けたトラップや守備兵たちの攻撃も難なく突破し、征蟻党の幹部たちは村へと侵入してくる。狐次郎(CV:日野まり)と亜也子(CV:鈴代紗弓)は二人がかりで瘴奸に立ち向かうが、全身を鎧で固めている彼には全く歯が立たない。

そんな二人に対し、「安心しなさい、おじさんは子供は殺さない。舌を優しく抜いて、右足の腱を優しく切って奴隷にするだけ」と語りかける瘴奸。声優・東地宏樹の怪演が凄まじく、そのねっとりとした言い回しで人を傷めることに快楽を覚える瘴奸の外道っぷりや変態性を巧みに表現している。

またCGを使った蟻の演出もなかなかのインパクトだ。土地を征服し、あらゆるものを奪い尽くす征蟻党の有り様を表すかのようにカマキリの死体に群がる蟻。原作では着物の柄のように描かれている蟻も終始瘴奸の全身を這っており、そのグロテスクな描写の数々が視聴者を戦慄させている。