ーー自身が演じている役柄に共感するところはありますか?
佐伯:時松はとても不器用だなと思います。その不器用さが今風というか、令和の不器用な男の人だと感じますね。自分で決めるのではなく、人に決められたものを遂行していく方が心が楽みたいなところがあるのではないかなと。
僕は全然そういうタイプではないので気持ちは分からないですが、そんな人もいるよなと思いながら演じていました。(時松は)ちょっと暗めだし、喋らないし…。
樋口:佐伯さんと正反対ですよね。いつもニコニコしていますもん。
佐伯:現場では、カットがかかったら2人ともニコニコしていましたよね。
樋口:穂波は平凡というか…。流れに身を任せ、「こういうものだな」という自分の中の物差しを基準に人生を進んできたんだろうなという子。
誠実であろう、理性を保とうと必死な姿に真面目さを感じつつ、自分の中に芽生えてしまった“いけないと思う感情”に抗えなくなっていくことが、31歳にして初めての経験なのだろうなと思いながら演じていました。抑えようと思えば思うほど膨れ上がるところには共感しながらも、どうしても「結婚とは」と思ってしまいました。いろんな形がありますよね…。
佐伯:勉強になるよね。
樋口:なりますね。人の心に絶対はないのだと悲しくなりました。
ーー今回共演するまでのお互いの印象や、共演してみて変わったところはありますか?
佐伯:僕より若いけど、ものすごくしっかり者だなというのが最初の印象でした。言葉遣いや振る舞いを見て、とても信頼の置ける方だと感じました。
樋口:うれしいです。私は、すごく背が高いんだろうなって(笑)。
佐伯:大きさだよね、やっぱり。
樋口:お会いする前にちゃんと大きさをイメージしていたのですが、それを超えてきました! 存在感がとてもあるし「佐伯さん、現場入りしたな」と空気で分かるんです。
佐伯:そんなに!?
樋口:明るい空気と明るい風がふわっと入ってきていました。
そして、今回が初めての主演だったので、たくさん考えることもあり一人でいっぱいいっぱいになっていたのですが、撮影初日から佐伯さんがいろんな方に話しかけていて。スタッフさんの名前を佐伯さんが呼んでいたので私もすぐ覚えられました。
いろいろなところから佐伯さんが話す声が聞こえてきて、本当にありがたかったです。空気を最初に作ってくださって、時松さんに感じる安心感と同じ安心感を、佐伯さんが与えてくれていました。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)