コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は10月17日に新刊を発売し、レタスクラブで連載中の、元保育士の作者が愛をこめて描く、笑いあり、涙ありの実録ベースのコミックエッセイ『ただいま! 保育士でこ先生』をピックアップ。
作者である でこぽん吾郎さんが10月7日にX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、1.4万以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、でこぽん吾郎さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。
保育士“でこ先生”は、ドジで慌て者、けれども子どもたちに全力で向き合い、彼らの成長とともに自身も成長していく。特に予防接種に関するエピソードや、保育現場でのハプニングが描かれており、リアルな保育士生活が垣間見える。
思わず笑ってしまう子どもたちの純真無垢な行動や、でこ先生の不器用さが魅力となっている。保育の現場で感じる喜びや困難、そしてそこから得られるかけがえのない瞬間を通じて、忙しい日常の中でもホッと心が温かくなる。
そんなでこ先生は、とある親子の会話を目の当たりにする。保育園に通うある少女は、ハートがたくさんのラブレターを心を込めて作成する。
保育士のでこ先生が「誰にあげるの?」と聞くと、少女は「まだ秘密」と楽しそうな声をあげる。お迎え時に迎えに来た父親に手作りのラブレターを見せ、「ど・・どうかな?」と聞くと、父親は思いがけず胸を打たれ、涙を流してしまいーー。
物語を読んだ人たちからは「パパが同じ男だから思いが伝わるか確認した?」「パパ泣いていい」「なんという策士」「上げて落とす方が上乗せ分ダメージ増えるゾ」など、反響の声が寄せられている。
――『ただいま! 保育士でこ先生』を創作したきっかけや、着想を得たエピソードを教えてください。
保育の世界は大変なことも多いですが、子どもたちの面白くて可愛いところをたくさん見ることができます。漫画を通して、色んな方々にその魅力を知ってもらえたらと思い、描き始めました。「全て描き切った」と思い、一度連載を終了しましたが、時間が経つにつれ「やっぱり保育が好きだな」「まだ伝えたいことがあるな」という気持ちが芽生え、フォロワーの皆さんの応援もあり、第二シーズンとして『ただいま!保育士でこ先生』をスタートしました!
――主人公や主要キャラクターの設定やデザインのこだわりを教えてください。
主人公でこ先生は、私が学生時代に作ったお気に入りのキャラクターをベースにしています。私の保育士時代の経験を元に漫画を描いているので、でこ先生の性格や行動パターンは私とほぼ同じです。だから、よくドジをしたり、空回りしたり、すぐにパニックになったりと、完璧な保育士には程遠いですね(笑)。でも、そんな完璧じゃないところが親しみやすさにつながっているんじゃないかと思っています……!(笑)
――作中で特に印象的なシーンやセリフを、理由とともに教えてください。
たくさんあって一つに絞るのは難しいですが、今パッと思い浮かぶのは、『青天の霹靂』という、お迎え時に予防接種に行くことを突然知らされる子どもの話ですね。一応ギャグテイストで描かれていますが、私自身が注射が大嫌いだった子どもだったので、その子にものすごく共感しました。この話は「わかる」「確かに、注射に行くことを伝えるタイミングは難しいよね」など、多くの反響をいただいた作品でもあります。
――『ただいま! 保育士でこ先生』の物語の中で、読者に特に伝えたいメッセージやテーマを教えてください。
保育には大変なこともたくさんありますが、そんな中でも子どもたちと関わることでしか得られない「楽しさ」を感じてもらえれば嬉しいです。
――でこぽん吾郎先生が創作において最も重視している点や、こだわりを教えてください。
子どもの表情や仕草には特にこだわっています。子どもたちは、その瞬間瞬間でくるくると色や輝きが変わる宝石のような存在だと思っているので、一番生き生きと見えるように描くことを目指して、日々頑張っています!
――10月17日に新刊が発売されましたが、見どころを教えてください。
いつもの保育士でこ先生の日常をベースに、今回は描き下ろし漫画のメインとして、私の新人時代のエピソードを盛り込みました。本当に久しぶりの新刊なので、描き下ろし部分に何を持ってくるか悩みましたが、育児や保育をしている方々だけでなく、何かに試行錯誤しながら一生懸命取り組んでいる方が、少しでも前向きな気持ちになれるような作品に仕上げました。
――最後に、『ただいま! 保育士でこ先生』のファンやこれから読もうとしている方々へメッセージをお願いいたします。
いつも応援してくださって、本当にありがとうございます。でこ先生を書き続けられるのは、日々応援してくださっている皆さんのおかげです。忙しい日々の中で、クスッと笑ったり、ほっとできたりする作品をこれからも目指して頑張ります!
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)