王都から大量のアンデッドを生み出し、国民たちへの無差別攻撃を始めたリッチ。フィオネも国民に向かって諦めないよう呼びかけるなか、ついにスースクの面々が王都へ戻ってきた。こうして、街中にアンデッドが溢れるカオスな状況下で、再び両陣営が激突。ハーレイとデッドショット(CV:山口令悟)はリッチに召喚されたエンチャントレス(CV:伊藤静)と、キング・シャーク(CV:木村昴)はキラークロック(CV:木内太郎)と、クレイフェイス(CV:福山潤)とリック・フラッグ(CV:八代拓)はカタナ(CV:安済知佳)との戦いに突入する。
バトルの第一ラウンドは、とくにキング・シャークとキラークロックの水中戦が迫力満点。どちらも重量級のパワー系キャラだけに、シンプルな身体のぶつかり合いが見ごたえ抜群だ。なかでも、途中から加勢したリヴァイアサンがキング・シャークを空中高くへと打ち上げ、キラークロックがバックブリーカーでトドメを刺すシーンは、これまでにはなかったプロレス系のアクションが見事に決まっていて、重量感、スピード感ともに圧巻の仕上がり。本作は、キャラクターやシーンごとに多彩なアクションシーンが楽しめるのも大きな特徴だが、今回もその魅力を感じさせてくれた。これにはSNSでも「マジで超人プロレスだろこれ」「テーマソングも相まって最高!」などの声があがっていた。
エンチャントレスの遠距離攻撃の前に防戦一方のハーレイたち。倒れてきた建物に押しつぶされる絶体絶命のピンチを救ったのは、ドラゴンのアーサーだった。短期間で成龍に近いサイズにまで成長を遂げたアーサーは、そのままエンチャントレスを攻撃、さらに魔法の使い方を閃いたハーレイが銃を強化し、エンチャントレスを撃破するのだった。かつてシンカーの銃弾からスースクを守ったのがエンチャントレスだったことを察していたハーレイは、彼女に隠された事情を聞き出そうとする。一方そのころ、一度はクレイフェイスを圧倒したものの、なぜかトドメを刺さずに逃走するカタナを追うクレイフェイスとリックは、森のなかでエンチャントレスに瓜二つの姿をした何者かを見つけるのだった。
バトル後半は、作画もいいが、随所にコメディが詰まっているところも見どころ。例えば、キング・シャークを助けに参上したピースメイカー(CV:子安武人)は、なぜか木のてっぺんから「味方ならいる! アメリカだ〜!」と叫びながらアメリカ国旗を掲げるなど、相変わらずの空気の読まなさと言うか、イカレっぷりを見せつけている。また、カタナにやられたクレイフェイスと、それを見守るリックによる、まるで三流映画に出てきそうなベタなお芝居も面白い。そして極め付けは、両手に持った拳銃を乱射しながら「ヒャッハー!!」と言いながら登場するセシルだ。ひとしきり乱射したあとはいつもの冷静なセシルに戻っており、そこからは憎まれ口を叩き合いつつ、デッドショットと共闘を始めるという流れなのもまた熱い。これにはSNSでも「人格変わりすぎだろw」「騎士がプライド捨ててて草」などの声があがっていた。味方も敵もほぼ出揃い、いよいよクライマックスへ向けて動き出した物語。さて次回第10話は9月6日(金)放送予定。楽しみすぎて、今から待ちきれない!
◆文/岡本大介
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