【漫画】高齢の親へ貯金やお墓の話…聞きにくい話題は“インタビューノート”がおすすめ…楽しい雰囲気で話せるアイディアに「素晴らしい!」の声

2024/09/11 18:30 配信

芸能一般 インタビュー コミック

大切なことも楽しい話題も和やかに引き出せる“インタビューノート”(C)カータン/KADOKAWA

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、カータンさんが描く『親のこと、もっと知りたい!インタビューノート Presented by カータン』をピックアップ。

2024年7月4日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、5,800件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、カータンさんにインタビューを行い、創作のきっかけや作品に込めた思いを語ってもらった。

介護福祉士さんのすすめでやってみた“親へのインタビュー”

『親のこと、もっと知りたい!インタビューノート Presented by カータン』より(C)カータン/KADOKAWA

作者のカータンさんは介護福祉士さんのすすめで、高齢な父親への“インタビュー”をすることに。これは、親がまだ介護を必要としない状態で、色々な物事についてしっかりと話せるうちにやっておきたい“準備”だという。

いきなり親の預金額やお墓の話などをするのはハードルが高いため、まずは好きな色や昔好きだった芸能人などの軽い質問から聞き始めることを提案する介護福祉士さん。カータンさんはお姉さんと一緒に、早速、父親へインタビューを実施することにした。

父にインタビューを申し入れると、「有名人になったみたいな気分」と嬉しそうな表情に。好きな食べ物や国、色など簡単に答えられるような質問から、子供があまり聞くことのないような“好きな女性のタイプ”まで様々な質問をするカータンさんたち。父親は途中、「インタビューとして残ってしまうから」と“カッコつけた”回答をする場面もあったり、終始楽しそうに話し続け、娘たちにとって今まで知らなかった父の一面も知ることができた。そして、お墓のことや預金のことなど元気なうちに聞いておきたかったこともしっかりインタビューできて、有意義な時間となった。

大事なことを聞くために実践したインタビュー。必要なことを聞けたと同時に、質問を通じて父親とたくさん話したことが、今となっては大切な思い出になっているカータンさんなのだった。

本作には、「これすごくいいですね!」「母にインタビューしながら書いてみます」など、インタビューを絶賛する声が寄せられている。書籍には質問内容と記入欄が用意された「インタビューノート」が掲載されているため、やってみたいという人はぜひ参考にしてほしい。

作者・カータンさん「いろんな話を聞いたあの時間が私の中で大切な思い出に」

『親のこと、もっと知りたい!インタビューノート Presented by カータン』より(C)カータン/KADOKAWA

――『親のこと、もっと知りたい!インタビューノート Presented by カータン』を創作したきっかけや理由などをお教えください。

認定介護福祉士の松川春代さんと対談したことがきっかけです。

親が元気なうちに聞いておきたいことをいろいろ聞いておいてくださいとアドバイスを受けたのですが、「でも、いきなり財産は?お墓は?」みたいな話をするのも…と躊躇っていたんです。すると、松川さんが「まずは本人の好きなものとか子供時代の話から始めたら?」と。

なるほど!と思い、すぐに父にインタビューしてみることにしたんです。そうしたら、思いのほか、盛り上がって(笑)。父も芸能人になった気分で、喜んで話してくれました。もちろん、「その話100万回聞いたよ」という自慢話もありましたが、近くにいても知らなかったこともたくさんあって興味深かったです。

私は思いつくまま聞いて、レポート用紙に書き込んでいたのですが、事前に質問事項も用意して、一冊のノートにできないかなと考えできたのがこのインタビューノートです。

――本作を創作する上で、特に心がけたところ、大切にしたことなどをお教えください。

楽しい思い出はもちろんですが、聞きたくても聞きづらい、でも、聞いておきたい貯金やお墓などのこともきちんと入れること。実用的な要素も織り込んで、役立つ一冊にしたいと思いました。

――投稿された漫画を読んで「自分もやってみよう!」と思った読者へ、インタビューする上で特に大切なポイントなどをお教えください。

対談番組の司会者になった気分で、話を盛り上げてあげることでしょうか?一方的に聞いてただ記入していくのではなく、エピソードを聞いたら、こちらからも少し話を振ってみたり。自分の話に興味をもってくれていると思ってもらうことが大事かなと思います。

――X(旧Twitter)の投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。今回の反響をどのように感じていらっしゃいますか。

親に自ら書いてもらうエンディングノートではなく、親に話を聞くインタビューノート、「この発想はなかった!」という反響が多かったです。松川さんからアドバイスをいただく前の私もそうでしたから。

また時期もお盆前の投稿だったので、「今年の夏、帰省したときやってみよう!」という意見も多く寄せられ、嬉しかったです。

――今後の展望・目標をお教えください。

高齢な親を見ていると、老後の自分の姿によく重なります。今、親のことで困っていることは、いずれ自分の子が困ることでは?という気づきから、自分の老後を考えるようになりました。

この先、今のようにアクティブに生活できる時間はあとどのくらいだろう?自分はまだまだ元気だし、大丈夫!とも言ってられないんじゃないか?だって、うちの親も呑気に構えていたじゃないか!と。でも、誰だって平等に歳はとる。歳をとることに悲観的にならずに、逆に今を悔いなく、やりたいことは可能な限りやっておこう!と、かえって欲深くなりました(笑)。

――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。

このインタビューノートがきっかけとなり、親子の会話が盛り上がるといいなと思います。父が亡くなった今、父が話してくれたエピソードも良い思い出ですが、それ以上に、いろんな話を聞いたあの時間が私の中で大切な思い出になっています。

また親にインタビューする本来の使い方もありますが、我々世代が自分で書くのも面白いと思います。実際、私もやってみたんですが、学生時代のことを思い出して「高校生の自分に一言!」のところには「寝てばかりいないで、勉強しろ!」と力一杯書いてしまいました(笑)。

インタビューノート、みなさんにいろんな使い方をしていただけたら嬉しいです。