コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『神さまと二人飲み』を紹介する。作者のふに・無9さんが、7月5日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、2.8万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、ふに・無9さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
ある居酒屋でのこと。「おー美人さんひとりかぁ?」「一緒に飲まんか?」とテーブル席で1人で呑んでいた男性が、カウンターで1人で飲んでいる女性に声をかけた。
女性は「んー奢りならいいよ」と言うと「良し!良し!楽しければなーんでも良し!」と話がつき、男性のおごりで楽しく飲むことに。
妻が友人と旅行中のため、寂しさを感じていた男性。一人飲みは初めてで、話し相手がほしかったのだとか。そんな男性は、酔いがどんどん回り饒舌になっていく。
「にしてもあんた、ほんと美人さんだなあ。んま、妻には敵わんが」と豪快に笑う男性に、「んふふ、奥さんは神さまより綺麗なんだね〜」と女性は相槌を打つ。
「いや〜あんた聞き上手だ。口が回る回る」「うちの妻はおしゃべりなもんでな」「そうだ!今度3人での飲みなんてどうだい?」と、男性が声をかけると、女性は美しく微笑んで…。
この漫画を読んだ人たちからは、「神回」「すごく悲しい笑顔だなぁ」「またどこかで再会できると良いね」「このまま飲み友であって欲しかったなぁ」「神の友になり損ねた話」など、多くのコメントが寄せられている。
――『神さまと二人飲み』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
少し前に駅で見かけた酩酊した男女を思い出して、お酒に関するお話を描こうと思ったのがきっかけです。
――本作では、ビールが本物のように美味しそうに描かれているのが印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
居酒屋という日常の中での少し不思議な体験が本作のテーマでした。そのため最初のカラー絵で日常の空気感、居酒屋の雰囲気を感じてもらえるような描写にできるようこだわりました。そうした結果ビールに目が行くような構図になったのだと思います。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
3ページ1コマ目が私のお気に入りです。男性の言葉から奥さんへの愛が感じられると共に、一人飲みという共通点を持ちながらも孤独である神さまとそうではない男性の違いが感じられて好きです。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか。
過去に体験した物事からその時に抱いた感情を基にしています。本作に関してはこのお話を創作したきっかけになった酩酊した男女が、お互いの好きなところを叫び合っているのを見た時に感じた暖かさと私の日常との隔たりから一つの着想を得ました。
――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか。
人物の表情には注意しています。ぱっと見の印象に残りやすいので記号的にならないよう、これまで見てきた人の表情を参考にして伝えたい感情を描いています。
――今後の展望や目標をお教えください。
まだまだ実力不足が否めず、表現したいものを純度高く描きあげて伝えることができていません。より一層読者の皆さまに楽しんでいただけるものを作り上げることはもちろん、自分自身ですら心動かされるものを描けるようになるのが目標です。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも私の作品をお読みくださりありがとうございます!!読者の皆さまに支えられて漫画を描き続けることができております。もし私の漫画が皆さまにとって日々の楽しみの一つになれているのであれば、これ以上ない幸せです。今後も引き続きよろしくお願いいたします!
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