その後、久しぶりに夏の自宅を海が訪れた。そこで名字について話すことに。すると、夏が驚くほど、海はあっさりと“月岡”になることを選択した。
その選択には生前の水季との思い出があった。水季が海の小学校入学準備で持ち物に名前を書いているとき、「家族でおそろいにできるのが名字で、家族からもらうのが名前」と教えていた。さらに、“海”という漢字の偏である“さんずい”は水という意味があって、自分の名前と「ちょっとおそろい」なのだと。
だから苗字が南雲から月岡に変わっても水季との「ちょっとおそろい」はそのままで、夏とは「家族でおそろい」になるのだ。
水季の“季”がまだ書けない海は、夏に書いてもらい季節という意味があるのだと教えてもらった。すると「夏!」とうれしそうに声をあげ、夏も「俺もすごいちょっとだけど、おそろい」とほほ笑んだ。
友だちと離れたくない、水季と暮らした思い出の地にいたい、そんな思いで心を痛めていた海だが、夏と“家族”になることを決めた。SNSには「家族でおそろいっていいね」「あったかい気持ちになる」「おそろいのつながりが幸せ」「名字がおそろいってすてきな考え方」といった声が寄せられた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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