アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞を含む6部門にノミネートされるなど、世界的に大ヒットを記録した映画「シックス・センス」(1999年)で一躍脚光を浴びたM・ナイト・シャマラン監督。日本最大級の映画専門チャンネル「ムービープラス」では、9月21日(土)に“ネタバレ厳禁!M・ナイト・シャマラン監督特集”と題してシャマラン監督がメガホンをとった4作品が放送される。そこで、シャマラン監督の軌跡をたどるとともに、予測不能な展開に引き込まれ、衝撃的な結末を迎える4作品それぞれの見どころを紹介する。
1970年にインドで生まれたシャマランは、幼い頃に一家でアメリカに移住。8歳で8ミリカメラを手にし、やがてニューヨーク大学の映画学科で映画製作を学んだ。1993年には初めての長編映画「Praying with Anger(原題)」で「アメリカ・フィルム・インスティテュート」最優秀新人賞を受賞。監督・脚本を手掛けた「翼のない天使」(1998年)で劇場映画デビューを飾ると、1999年には脚本・監督を担当した「シックス・センス」が大ヒットを収め脚光を浴びた。その後も「アンブレイカブル」(2000年)や「サイン」(2002年)、「ヴィジット」(2015年)など、日本のファンにもよく知られる多数のヒット作を世に送り出してきた。彼のすごいところは独自の世界観を突き詰めるクリエーティブな面での評価のみならず、商業的にも数多くの作品で成功を収めているところ。多くの名優がシャマラン監督作品に出たがるのも頷ける。
そんなシャマラン監督といえば、彼が敬愛するサスペンスの帝王アルフレッド・ヒッチコック監督へのリスペクトもあってか、ほとんどの作品にカメオ出演していることも特徴。ちょっとした役だけでなく、作品によってはストーリー上で大きな役割を果たすキャラクターを演じることもある。彼がカメオ出演する際のポリシーというか、意識していることは「物語を台無しにしないこと」だと語っている。確かに明らかに目立ってしまうとそこに気を取られて内容が頭に入ってこない、ということもある。いち映画人としてそこは避けたいのだろう。
代表作の一つである「シックス・センス」では医師役、「アンブレイカブル」ではドラッグの売人、「サイン」では獣医を演じた。今回ムービープラスで放送される4作品中には「ヴィジット」以外の3作品に出演しているので、どこに出演しているのかを探すのも楽しみの1つだ。
ちなみに「レディ・イン・ザ・ウォーター」(2006年)では物語の舞台となるアパートの住人で、妹と暮らす青年ヴィック・ラン役で出演しており、こちらはカメオ出演にとどまらず、キーパーソンを演じているので、演技にも注目して見てほしい。
そして2024年には彼の娘であるイシャナ・ナイト・シャマランがホラー映画「ザ・ウォッチャーズ」で長編監督デビュー。父もプロデューサーとして関わる形でタッグを組み、日本でも6月21日に公開された。偉大な父の背中を見て育った彼女の手掛ける映画も気になるところだが、シャマラン監督ファンとしては娘の作品にもカメオ出演しているのか、今後参加することはあるのか、という点も話題になった。
ストーリー的な部分でいえば、シャマラン監督作品は主要な登場人物が予測不能な展開に引き込まれ、衝撃的な結末を迎えるものやいわゆる“どんでん返し”の結末も多い。ここからは、ムービープラスで放送される4作品の見どころも紹介しておこう。
9月21日(土)深夜1:15から放送の「ヴィジット」はシャマラン監督が、数々の大ヒットホラーを製作したジェイソン・ブラムと初タッグを結成。同作は“3つの約束”に隠された、恐怖と真実を描くサスペンス・スリラー。
ベッカとタイラーの姉弟は休暇を利用して、祖父母の住むペンシルヴェニア州メイソンビルへ。2人は都会の喧騒から離れ、田舎で楽しい1週間を過ごす予定だった。優しい祖父、料理上手な祖母と出会えて喜ぶ2人は就寝時、「楽しい時間を過ごすこと」「好きなものは遠慮なく食べること」「夜9時半以降は部屋から絶対に出ないこと」という“3つの約束”を伝えられる。そして夜9時半過ぎ、異様な気配で目を覚ましたベッカとタイラー。部屋の外から聞こえる、ただ事ではない物音に恐怖を覚えた2人は、「絶対に出てはいけない」と言われた部屋のドアを開け、ある光景を目にしてしまう――。
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