舞台、ライブ、テレビ、ラジオ…と活躍の場をどんどん広げているミュージカル界のプリンス、井上芳雄。意外なことに彼にとってこれが初めてとなるシングルCDが10月4日(水)にビクターエンタテインメントよりリリースされる。タイトルは「風のオリヴァストロ」。
表題曲は、かつてBS-i(BS-TBS)で放送されていた「AQUOS美術館『かくて名画は生まれた』」のテーマ曲として作曲されたメロディーで、作曲者は劇団四季や東京ディズニーランドのショーの音楽を手掛けた宮川彬良。宮川作の番組テーマ曲は、オーケストラ曲に仕立てられ、宮川と新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートで演奏されるなどするうちに評判が高まった。
その後、仙台出身でフリーアナウンサー、作詞家として活動する安田佑子がこの曲に詞をつけ、「風のオリヴァストロ」という楽曲に生まれ変わる。メロディーから作詞の安田が感じたテーマは「永遠の別れ」と「感謝」だという。宮川&安田といえば、現在放送中のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」。宮川が音楽担当で、太田裕美が歌う劇中歌「恋のうた」を安田作詞、宮川作曲で生み出している。
井上芳雄は、2014年と2016年に上演されたリーディング・ドラマ「夜と霧」に主演した際、音楽担当の宮川、そして名曲「風のオリヴァストロ」と出会った。感銘を受けた井上はその後自身のコンサートや出演番組で機会あるごとに「風のオリヴァストロ」を歌っており、ファンにとってもお気に入りの曲。最近では8月2日放送のNHK「ごごナマ」に出演した井上が目を潤ませながら歌い、視聴者の感動を呼んだ。そして今回自身初のシングルに収録することになった。
レギュラーパーソナリティーを務めるTBSラジオ「井上芳雄 by MYSELF」8月20日放送で井上は、「ここから遠く“高いところ”に行ってしまった大切な人を想って歌う曲。オリヴァストロは、オリーブ色のという意味で、オリーブの実が揺れているような遠いところで見守ってくれている、大切な人に向かって歌う歌なんです。僕は歌うとき、今はいなくなってしまった人たちに向けて歌いたいとか、その人たちのことを思い出したいという気持ちが強くあります。この曲をシングルとして聴いていただけることはとてもうれしい」と語っていた。
シングルCDには、1905年にアメリカで発表された「リンゴの木の下で」も収録される。ルイ・アームストロングやミルス・ブラザース、デューク・エリントン楽団の演奏が戦前に日本に紹介され、それを聴いたディック・ミネがいち早く日本語でカバーして大ヒット。以来、多くの歌手が歌っているが、音楽劇「上海バンスキング」(1979年初演)での女優・吉田日出子によるユニークな歌唱が特筆される。「上海バンスキング」の演出家・串田和美と井上は2015年に上演された串田演出漂流劇「ひょっこりひょうたん島」で出会っており、今作品での収録につながった。
シングルCD「風のオリヴァストロ」は、初回限定盤CD+DVD〔風のオリヴァストロ(Special Version)映像収録〕と、CDのみの通常盤の2バージョンでリリースされる。さらに、期間限定販売2形態セット[初回限定盤+通常盤]にはミュージックビデオメイキング+レコーディング風景+インタビューを収録した特典DVD(約10分)が付属し、ファンクラブ会員にはさらなる特典オリジナルポストカード(1枚)のプレゼントがある。2形態セットおよびFC会員用2形態セットは期間限定での販売で、締切は9月18日(月)だ。吟味の上、セレクトを。
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