コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、赤穂ゆうきさんが描く『耳にカビが生えた話』をピックアップ。
2024年7月13日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、5,600件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、赤穂ゆうきさんにインタビューを行い、創作のきっかけや今回の実体験について語ってもらった。
作者の赤穂ゆうきさんは19歳の頃、作業中に毎日6時間ほどはイヤホン着けっぱなしの生活を送っていたという。そんな習慣があったせいか梅雨時期のある日、耳に嫌な違和感を覚えた。
イヤホンから流れる音楽の合間に“プチ”“パチ”という音が聞こえたのだ。最初はイヤホンの不具合かと思い、大きく気には留めていなかったが、しばらくして猛烈な耳の痒さに異常を確信する。そして、綿棒で耳かきをしてみると、いつもは乾燥している耳の中が“ねちょり”とベタつき、綿棒の先には黄色い液体と胡椒のような黒い粒が付いていたのだ。
「外耳道真菌症」ネットを調べると、そんな病名がヒットした。急いで耳鼻科を受診してみたところ、「外耳炎」と診断されて薬で治すことになった。しかし数日後…。
“ぷち ぷち ぱち ぺち”
症状は治まる様子がなく、不快な破裂音が頭に響き続ける状態が続いていた。耳の中に「なにかいる 絶対に生きてる」と感じた作者は、即決でカメラ付き耳かきを購入。自分の目で耳の中を確認してみることにした。すると、耳の奥には“胞子”のようなものがたくさん見えたのだった!思わず写真を撮り、再度病院へ向かう。
すると病院で「耳の中にカビが生えている」と言われ、改めて別の薬を処方されて10日ほど経った後、大きな耳垢と共にカビが排出されて完治に至ったとのことだ。
本作の投稿には「辛いですよねぇ!」「耳の中が滅茶苦茶痛くて」など、経験者から共感の声が多数寄せられた。作者のファンコミュニティサイト「pixivFANBOX」では実物画像も公開されているため、気になる人でグロテスクな映像に抵抗がない人はチェックしてみるといいかもしれない。
――『耳にカビが生えた話』を描こうと思ったきっかけや理由などをお教えください。
自分自身がイヤホンで耳にカビが生えるなんて思ってもおらず、症状が出ている間はとにかく不安でたくさんネットで調べたので、自分もこうして経験を情報として発信すれば注意喚起や同じ経験をした人の声を聞く機会になると思い、エッセイ漫画という形で発信をしました。
――作中にも描かれていますが、耳の中にカビが見えたときの気持ちを改めてお聞かせいただけますでしょうか?
耳の中に何かあるのでは?という疑念はありましたが、ここまでハッキリ目視できる実体があるとは思っていなかったので心底驚いたし、ゾッとしました。
――耳の中でずっと音がするというのは耳を塞いでも聞こえなくなるものではないと思うので、想像するだけでも煩わしさや気持ち悪さが伝わってきます。何日間くらい音を感じ続けていたのでしょうか?
1週間くらいは強い痒みと共に時折「パチ」という音がする生活をしていた気がします。音も痒みも慣れるものではないので、掻きむしりたくなる気持ちを抑えるのが大変でした。
――外耳道真菌症になってから、耳のケアをするようになったなど生活の変化はありましたか?
そもそも耳のケアのし過ぎが大きな原因のひとつということで、むしろケアを控えるようになりました。現在は硬い耳かきはほぼ使わず、お風呂上がりの水分を綿棒で拭う程度のことしかしていません。
――X(旧Twitter)の投稿には多くのコメントが寄せられていましたが、今回の反響をどのように感じていらっしゃいますか。
奇妙な症例として驚かれる想定はしていましたが、思ったよりも同じ症状に苦しんだ経験をお持ちの方が多くて驚きました。また、耳に優しいイヤホンの情報もたくさん教えて頂き、この漫画をきっかけに頂いた支援サイトの支援金を元に実際に購入しました。とてもありがたいです。
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
漫画を読んでくださってありがとうございました。皆様もどうか、湿度の高い季節はイヤホンのし過ぎと耳かきのし過ぎに気をつけてお過ごしください。
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