海咲は故郷に色んなものを置きざりにして、フォトグラファーとして、そして一人の女性として東京で自分を築いてきました。 それが突然、失われ、時には激情し、ぶつかりながらもたくさんの方々や自分と少しずつ向き合っていきます。
あるシーンで“たまには立ち止まって、いま自分の立っている場所をしげしげと見つめてみるのも、悪くない”そんなせりふがあります。たくさんすてきなシーンがある中で私はこのせりふに尽きるなと感じていて、前や上をみて進むだけでなく、時には振り返ったり、足元を見つめてみる。あの頃とまた違った景色が見え、そしてまた新たなステージに立つような。失った先は喪失だけでなく、何かの芽吹きでもある。そんな希望のある作品です。
また、私の故郷・熊本が舞台のこの作品で、海咲を通じて、もしかしたら私自身も立ち返り、向き合う機会になるかもしれないなと感じています。 精一杯、努めさせていただきます。ぜひ、楽しみにしていただけたらうれしいです。
海咲の地元の幼なじみ晶太郎を演じます。色覚異常が悪化し十数年ぶりに天草に帰ってきた海咲をサポートしつつ、自らも彼女に影響されて新しい人生を歩み出そうとする役どころ。僕は色覚を失っていく感覚を知らないですが、自分という個が何色なのかわからない感覚は昔から知っていて、それは黒雲に覆われるような不安な気持ちにさせます。
天草の海と空、晶太郎という役に身を委ねて、定義できないような美しい色に出会いたいです。
この度、念願だった源孝志作品に出演する事になりました。以前から機会があれば是非と僕が懇願していました。
源氏は自ら脚本と演出を手掛けているからか、見えている世界が非常に明確で、しかも精密です。さまざまなキャラクターや設定が絶妙で、大人が楽しめる作品を作っていると思います。
今回は天草が舞台です。素晴らしい自然の中、源氏が描く色濃い人間模様を体感してきます。