2日後(取材時)に迫った「DISH// 日比谷野外大音楽堂公演’17秋 『MUSIC BOIN!!』」に向け、メンバーの北村匠海(Vo/G)、矢部昌暉(Cho /G)、小林龍二(RAP/B)、橘柊生(Fling Dish/RAP/DJ/Key)、泉大智(Dr)がそろって リハーサルを行った。
まずは各自のモニターをチェックするため、2曲ほど通して演奏。それぞれ自分の音を調整しつつ、時折(橘)柊生が(泉)大智のもとへ行き、シンバルを叩いてお手伝い(?)するなど、和気あいあいとした雰囲気。全員の音のバランスが整ったところで、本格的なリハーサルに突入した。リハは前日も行われていたため、この日のリハでは、流れや楽曲で気になる点をピックアップし、重点的に確認が行われた。特に盛り上がりを左右する楽曲は、曲の入り方を念入りにチェック。演出家 からの提案に加え、メンバーからも意見が出たため、何パターンも実際に演奏してベストの形を探っていく。少しずつ変えながら何度も繰り返されるイントロに、(小林)龍二が「もう俺に選択肢を増やさないでくれ(笑)」と懇願する場面も。最終的に全員が納得する形が決まると、メンバーの顔にも安堵の表情が浮かんだ。その後も本番を想定したスタイルでリハーサルは進む。歌や演奏はもちろん、DISH//のライブには欠かせないダンス、さらにはギターやベースの持ち替えやマイクのセッティングといった部分にまで、細かな確認や指示が及ぶ。それを一つ一つ確認するメンバーの真剣な表情には、「スラッシャー(ファンの名称)のみんなに少しでもいいライブを見せたい」という想いにあふれていた。
ことしの元旦に新たなメンバーとして大智を迎え、5人で臨む初めての野音。メンバーは今、どんなことを思っているのか。野音直前インタビューを敢行。また、360度カメラで5人だけで野音への意気込み語ってもらうはずが…。合わせてチェックしてみてください。
――5人そろっての野音は今回が初ですが、それだけにみなさんの意気込みも相当なのでは?
北村匠海「今回は自分たちでコンセプトもスタッフさんたちが提案してくれたことばかりじゃなくて、自分たちがこうしたいっていうのを5人で話し合って」
橘柊生「最初に5人で話して、それを持ち帰って、各自でまた考えたり」
匠海「やっぱり、今回はDISH//の軸をバンドにしたかったというか。大智が入ったことでそっちにシフトしたのは紛れもない事実なので。でも、そこが一番悩んだ部分でもありましたね。そこはメンバーともよく話し合って、DISH//がここでどう見えるかが肝だねってことになって。今回の野音で、DISH//として僕らのやりたい形、ダンスロックバンドとして見えたらいいなという想いで、ここまで作ってきました。なので、ある意味、野音のステージは僕らの“意思表示”でもあります」
――大智くんはDISH//として野音のステージに立つことをどう感じてますか?
泉大智「野音っていう場所は、いろんな伝説のライブが行われてきた場所でもあるので、ずっと出てみたかったんです。そこにDISH// として立てるのはすごくうれしいですね」
――昌暉くんも今年は春のツアーを途中でお休みしなければいけなかったりしたので、また5人で初めての野音に対して特別な想いがあるのでは?
矢部昌暉「そうですね。ついこの間も足を怪我してしまって、座ったままライブをしたので…。気管支炎明けで参加した春のツアーファイナルでは、楽し過ぎて寸劇が50分押しになったりして、足が治ってから初のライブになる今回の野音も、もしかしたら1時間くらい押しちゃうかもしれません(笑)」
匠海「絶対やめろよ(笑)」
昌暉「でも本当、今年はメンバーにもファンにも迷惑をかけて、自分自身も悔しくて。野音はそれを晴らす場でもあるので、最高のライブにしたいと思ってます」
――自分たちのツアー以外にも、この夏は2マンライブや各地イベントへの出演など、精力的にライブを行ってきたみなさん。その経験も生きてくるのでは?
小林龍二「2マンライブでは本当、僕らもロックバンドの塊みたいなライブをしてたので。昨年までとは違ったスタンスで野音に立つので、自分たちでもすごく楽しみですね」
匠海「音楽をやっている者としては、ライブが全てってところがあると思うんですよね。もちろんCDを出すのも大事ですけど、やっぱり生でやるライブで全部出し切りたいなって思うし。それを見てくれるファンの方もいるわけですから、どんなライブでも、毎回ああでもない、こうでもないってメンバーと真剣に話しながら、セットリストもちゃんと考えて臨んできました。だから、正直(会場の)大きさは関係ないと思ってるんですけど、それでもやっぱり大きくなっていくのはすごくうれしいことでもあって。僕らは今、横浜スタジアムを目指して頑張っているので、今回の野音もそこにつながるライブができたらと思ってます」
――たくさんのライブを経験してきたみなさんですが、ライブの前に必ずすることってあるんですか?
柊生「僕は円陣を組んだ後、ステージに一番近い扉に向かって思いっきり叫びます」
匠海「本当に変わらないよね。意味が分からない(笑)。円陣のときも、誰々と誰々の間に挟まれてなきゃイヤだとか」
柊生「まず、メンバーだけで円陣を作って、僕はその中でも右が龍二で、左が匠海っていうのが決まり事です」
匠海「そうそう。毎回それが面倒くさい(笑)」
龍二「最近はもう、柊生がここに来るから僕はこっち行かなきゃって思う(笑)。自分のジンクスでもないのに(笑)」
匠海「で、円陣組み終わったら柊生、それから昌暉が叫んでるっていう」
――昌暉くんも叫ぶんですね。
昌暉「柊生が叫ぶのを見てて、面白そうだなと思って真似したら、その日のライブがまあまあ良かったんです」
龍二「何、その『まあまあ良かった』って(笑)」
柊生「でも、それまで僕1人だけ叫んでたので、一緒に叫ぶ仲間ができて良かった(笑)」
匠海「この光景はもう5年ぐらい変わってないです(笑)」
龍二「円陣組んで、頑張るぞって思ったら、そこで『ヨシ、行けるぞーーーーー!』って叫んでる感じがいいよね。(ライブが)始まるんだなって思う」
――龍二くんは何か決まってすることはないんですか?
龍二「ジンクスっぽいのはなくて、僕は本番直前までメンバーとコミュニケーションを取ってるのが一番いいかなって思ってます。人によってはイヤホンで音楽聴いて集中する人もいるんですけど、僕は楽屋のテンションのままステージに出ちゃうタイプで。楽屋で仲良くしてれば、ステージでも仲良くできるだろうって」
――大智くんは?
大智「何だろう?」
柊生「絶対寝るよね。音楽聴いてるから、ドラムの練習してるんだなって思うと、次の瞬間寝てる(笑)」
大智「寝るのは大事にしてます」
――匠海くんは?
匠海「僕はもう、とにかく落ち着かなきゃいけないので、ヒーリング音楽を聴いてることが多いですね。で、ふわ〜ってなった状態でステージに出る。考え過ぎちゃダメなタイプだから、空っぽの状態でライブをできるようにしてます」
昌暉「ライブ前は落ち着かないとね。テンション高いままやったら空回りしちゃうから(笑)」
龍二「だから、ライブ前の僕らの楽屋は暗いですよ(笑)。電気を落として、なるべく落ち着くようにしてるので」
匠海「みんなが想像する以上に、めっちゃ静かです(笑)」
――目前に迫った野音ですが、ちょっとお天気が心配ですね…。
匠海「頼むから雨降らないでほしい」
龍二「僕ら“晴れグループ”だったんですけど、彼が…」
匠海「大智が雨男かもしれなくて」
大智「いや〜、そうなのかなぁ。でも、今まではそういうの全く信じない人だったんですけど、最近は自分でも(そういうの)あるのかなって(笑)」
匠海「でも、僕、めっちゃ晴れ男なんで」
龍二「頑張れ! 実は僕も雨男だけど、できるだけ足を引っ張らないようにするから(笑)」
取材・文=片貝久美子
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