コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ピッコマにて連載中の原案・脚本:つるこ。さん、制作:SORAJIMAの作品『無能な継母ですが、家族の溺愛が止まりません!』をピックアップ。
つるこ。さんが2024年8月12日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、4,500件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、原案・脚本のつるこ。さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
ゾーネブルグ公爵家の長女・エルシャは、広い屋敷でずっと邪魔者扱いをされて暮らしてきた。半年ぶりに家族そろっての食事の場ですら、エルシャは息が詰まりそうになっていた。
そんな食事中、突然アイスベルグ大公に嫁ぐことを知らされる。アイスベルグ大公とは、サンレイユ帝国と隣国のシルボア王国の戦争を終わらせた立役者として知られている一方、「戦争狂」などと言われ危険な噂も絶えない人であった。
エルシャは怯え、その結婚に対し父に意見を言おうとするが、母や妹の言葉に遮られてしまう。エルシャは昔からこの家で「いなくて当たり前」であったことを思い出し、意見を言うことを諦める。しかし、一人で赴いた北の国ではエルシャの想像もしない温かい出会いが待っていた…。
作品を読んだ読者からは、「一気読みしてしまった…」「優しい気持ちになれるお話」など、反響の声が多く寄せられている。
――『無能な継母ですが、家族の溺愛が止まりません!』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
私自身が元々「血の繋がりのない家族」という関係性がとても好きです。
義家族モノに対する「癖(へき)」や「執着」があります。
理由は下記の通りです。
(過去インタビューで話したことがある内容)
・ゼロから関係性を構築していくという「過程」が好き。ゼロスタートなので共感しやすい。
(今回初出の内容)
・友情でも、恋愛感情でもなく、本来何か行動をしなくても勝手に存在する<家族>になろうとする「シチュエーション」が好き。歩み寄ったりぶつかったりしながら互いを尊重し合う状況が好き。
・家族≒「血縁者」。本来家族になろうとしてもなれない。血のつながりは絶対に手に入れられない。けれど無理を通して家族になるからには「強い感情」や「エピソード」が生まれる。そういった手に入れられないものを手に入れる「エモさ」が好き。
そんな折に、制作会社から家族愛をテーマにした作品を募集しているという案内を拝見し、絶対に連載を勝ち取りたいと思い、この作品の企画書を書きました。
――今作品で特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
本作品は、
①主人公のエルシャは、どんなに苦しい状況にあっても明るく振る舞うことで、家族や周囲の人達を救う。
②救われたまわりの人々は、エルシャの魅力に気が付いて、エルシャをどんどん溺愛する。
③溺愛されることで、エルシャは更にまわりを幸せにできる女性に成長していく。
①~③を繰り返していく、明るく幸せな物語です。
叶うことならば、本作品を読んでくださる皆様にも、エルシャと同じように、明るく幸せな気持ちになってもらいたい。
少しでも毎日を楽しく過ごす、お手伝いになってほしいと願っています。
なので、本作品は週刊連載なのですが、次の更新を待つ間に、暗い気持ちになったり、不安でたまらなくなるような終わり方をしないように心がけています。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
私はシナリオを書いているだけなので、完成原稿をいただくたびに感動しています。
すべてのシーンがシナリオ以上の素晴らしい仕上がりなので、特別に気に入っているシーンを選ぶのは非常に難しく思います。
その中で、どうしても選ばなければならないのなら、46話(エルシャの誕生日パーティー)と52話(エルシャの過去)を挙げさせてください。
物語として重要なシーンということは勿論なのですが、制作チームの皆さんが本当にこの作品を大切にしてくれていることが伝わってきて、胸がいっぱいになったお話でした。
シナリオに書ききれなかったものも、すべてすくい上げて、原稿に落とし込んでくださった制作チームにはどれだけ感謝しても足りません。
――「家族全員可愛い。」「エルシャがほんっと頑張り屋さん」など、登場キャラクターに魅力を感じている方が多くいらっしゃいます。つるこ。さんは普段作品を作る上で、キャラクターの設定やストーリーはどういったところから着想を得ていらっしゃるのでしょうか?
着想、というと少し違うかもしれないのですが、おそらく原点はおままごとです。
昔から一人おままごとが大好きな子供で、学生時代は舞台役者をしていました。
そんな私はキャラクター同士の掛け合いを書くのも演じるのも大好きです。
キャラクターとしてセリフを掛け合うと、執筆時や、ただ文章を目で追っていただけの時には見えなかった景色や設定が見えてきます。
より物語や世界がリアルになり、キャラクターが生き生きと動き出します。
私が書くキャラクター達はけっして、物珍しかったり、ぶっ飛んだ個性があるわけではないと思っています。
ただ物語の中で、キャラクターがのびのび生き生き動いている様子が、読者の皆さんの目に、魅力的に映ってくれているのでは……?(そんなことを言うのも烏滸がましいのですが)と最近、思うようになりました。
――つるこ。さんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
私は、漫画、舞台、映画、ゲーム、小説、アニメ……様々な創作物に支えられてきました。
だからこそ、ゲーム、脚本、小説、漫画原作など色んな形のお仕事を承ってきましたし、これからも漫画原作に限らず、いろんな形に挑戦していきます。
そしてどんな形であれ作り上げた作品が、一人でも多くの方に届くよう。
叶うことならば、幸せな気持ちをお届けできるよう、全力を尽くします!
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつも熱い応援を本当にありがとうございます。
皆様の応援のお陰で、今があります。
これからも楽しんでいただけるように、制作チーム一丸となって、誠心誠意尽くしてまいります。
エルシャとアイスベルグ一家の行く末を、温かく見守っていただけますと幸いです。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)