マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の新作ドラマ「アガサ・オール・アロング」の主人公アガサ・ハークネス(キャスリン・ハーン)が初登場したマーベルドラマ「ワンダヴィジョン」(ディズニープラスで独占配信中)。2021年に配信された同作は、映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)後の世界を舞台に、ようやく結ばれた“スカーレット・ウィッチ”ことワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)とシンセゾイド(人造人間)であるヴィジョン(ポール・ベタニー)の結婚生活を送るシットコム(シチュエーション・コメディー)だ。ワンダが魔法使いのためか、どこか初代「奥様は魔女」のようなレトロ感漂うモノクロの映像の中、ワンダとヴィジョンの幸せな日々が描かれているが、その裏には悲しい現実が隠されていた。(以下、ネタバレを含みます)
同ドラマの主人公の1人であるヴィジョンは、映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018年)で壮絶な最期を迎えている。しかし、このドラマではなぜか生き返り、幼少期から壮絶な人生を歩んできたワンダの夫として、郊外のベッドタウンで“まるでドラマのような”幸せな日々を送っている。アベンジャーズの一員となってからも戦いに身を投じてきた2人だけに、ようやくたどり着いた穏やかな日々を祝福してあげたくもなるが、やはり違和感は否めない。
だが、ドラマでは街に引っ越してきた2人が順調に街になじみ、面白おかしく生活していく。その描き方はとても独特で、第1話の舞台設定は1950〜60年代。モノクロ映像からスタートしたかと思えば、第2話では時代が進み、2人が暮らす家や服装も変化していく。しかもオープニング映像や音楽も各時代に合ったものになっており、かなり趣向が凝らされている。その後はカラー放送に移行し、登場人物たちの服装もサイケ、プレッピースタイル、デニムなど進化。ストーリーではワンダとヴィジョンに突如、双子が生まれる大イベントも盛り込まれながら、幸せな日々がつづられていく。
だが、そんな幸せな生活は虚構の上に成り立っていた。2人が住むウエストビューは実在せず、ヴィジョンを失ったワンダの深過ぎる悲しみによって作り出された“架空の街”だったのだ。ワンダはあまりの悲しみゆえに無意識で現実を改変してしまったようだが、住人たちは突如ワンダの魔力に縛られ、街から逃れることができなくなっていた。
そのため、街の外ではワンダにとって不都合な存在が動き出していた。S.W.O.R.D.(ソード)の暫定長官タイラー・ヘイワード(ジョシュ・スタンバーグ)がワンダをテロリスト扱いし、彼女を捕らえようとしていたのだ。だが、それを知った前S.W.O.R.D.長官の娘であるモニカ・ランボー(テヨナ・パリス)やFBI捜査官のジェームズ・E・ウー(ランドール・パーク)、天文学者のダーシー・ルイス(カット・デニングス)らはワンダのテロリスト説を否定するが、ヘイワードは聞く耳を持たず、彼らを陣営から排除する。その強情な態度に疑問を持った3人は、彼の真の狙いを探り、さらにワンダとヴィジョンを助けようと動き出す。
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