平成女児ブームの火付け役『オシャレ魔女 ラブ and ベリー』、開発担当者が語る20周年の思い「懐かしむだけのコンテンツにしたくない」 

「オシャレ魔女 ラブ and ベリー」の開発担当者にインタビューを実施した※ザテレビジョン撮影

2004年に登場し、“ラブベリ”の愛称で人気を博した株式会社セガのキッズカードゲーム『オシャレ魔女 ラブ and ベリー』が今年20周年を迎える。現在、東京・渋谷を始め、大阪・心斎橋、愛知・名古屋で開催中の「オシャレ魔女 ラブ and ベリー 20th Anniversary Cafe」にザテレビジョンが突撃。当時、開発担当をしていた、近野俊昭氏にインタビューを実施した。

2004年頃は「女の子がゲームセンターに来ることが珍しかった」


――「オシャレ魔女 ラブ and ベリー」の開発に至った経緯を教えて下さい。

当時SEGAでは「ムシキング」という男の子向けのゲームを作っていて、次は女の子向けのゲームを作ろうと企画が立てられたのが始まりです。実際に企画がスタートして、どういったゲームにしようか試行錯誤していく中で、“ファミリー”をテーマにして遊べる物を作ろうと考えていました。

―― 制作にあたり、社内での反応はいかがでしたか?

女の子がゲームセンターに遊びに来るっていう文化が当時は無かったので、最初は説得することがすごく大変でしたね。「女の子が本当にゲームセンターに来るの?」という疑問は常にありました。その上で「テストをやらせてください」と頼んだところ、すごくたくさんの方に集まってもらえたんです。その状況を目にした会社も納得して「続けてください」と、認めてもらえた時はうれしかったです。

――女の子がゲームセンターに行く文化がなかったというのは驚きました

それこそUFOキャッチャーやプリクラなど、そういったところで遊んでくれてはいたと思うのですが、実際アーケードゲームっていうジャンルになると、当時は珍しかったんですよ。今では考えられないと思いますが…(笑)。

「懐かしい」という感覚を味わってほしい


――20周年に盛大なお祝いをしようと決めたきっかけはありますか?

最初は10周年の時に話が上がりました。しかし10周年となると、当時遊んで下さっていたファンの皆さんは、まだ10代前半~後半で、学生だと子どもに近しいですよね。なので、20周年に時期を延ばすことで、「懐かしい」という感覚を味わってほしい狙いがありました。もう一つは、令和になったことで、平成の「カワイイ」をもう一度発信したら、喜んでいただけるんじゃないかなと思ったんです。

――20周年の企画はいつ頃から動き出していたのでしょうか?

3年前ぐらいですね。20周年に向けて色々考えていく中で、まず2023年にコラボカフェの企画をプレイベントみたいな感じでやらせていただいたのですが、我々が思っていた以上に反響をいただきました。それがきっかけとなり、じゃあ20周年はもっと大きな展開にさせていこうという動きになりました。

――昨年のコラボカフェの席は、抽選申し込みが殺到し、ネットでも席が取れないと悲しみの声が広がっていました。元々第2弾をやることは決まっていたのでしょうか?

決まっていませんでした。20周年に向けて色々な企画がある中でも、昨年やったコラボカフェがすごく盛況だったので、来れなかったファンの方々に向けてもう一度やろうとPARCOさんと相談し、第2弾が実現しました。カフェ以外にも、今年は展覧会もやらせていただいて…もっとファンの皆さんに「ラブ and ベリー」の歴史を見せていける場を作っていきたいと思っています。

「オシャレ魔女 ラブ and ベリー 20th Anniversary Cafe」※ザテレビジョン撮影