世代や立場を問わず、仕事に打ち込むすべての人々の背中を押してくれるメッセージに満ちた本作。ストーリーを引っ張るのはやはり、超ポジティブで頑張り屋の主人公・マウム。背中を向けたら負け、とばかり全力で体当たりしていくスポ根キャラだけに、心に響くセリフも多い。
「未来は変えられるから」――オン・マウム
ジュニョンに「このまま業績不振が続けば部は解散、自分たちも仕事を失う」と聞いたマウムは、ジュニョンにこう反論する。
「好業績なら続けられるんですか?なら、今の何倍も頑張って業績を上げます。未来は変えられるから。不確かな未来を恐れて消極的になるなんて、私のキャラじゃない」。彼女のフルネーム“オン・マウム”は「心を込めて、全身全霊で」という意味の韓国語と同じ発音。その名の通りどんな時も全身全霊で前に進むマウムが、周囲を、そして解散の危機にある編集部を変えていく。
「編集者とは、庭師だ」――オン・マウム
入社早々、教育係のソク副編集長から「1か月ごとに、自分なりの“編集者とは?”をメールするように」と課題を出されたマウムの答えの一つ。
「編集者は、“漫画家”というたくさんの木や花を整えて世話をする。時にはバラのとげで傷つくことや、やむを得ず枝打ち、草刈りをすることもある。庭師は木と花が最良の実を結べるように、責任を持って最後まで世話をする。大勢の人が庭を訪れた時に、その美しさを満喫できるように」
数々の作家たちと知り合い、編集部の面々との絆を育ててきたマウムのこの結論が、個人的な悩みを抱えたソク副編集長の心境を変えていく。悩んでいるのは自分だけじゃない、自分が悩んで出した結論が巡り巡って誰かの背中を押すこともある。そんなことに気づかせてくれるのも、本作の魅力だ。
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編集者が作品づくりにどうかかわっているか、オンラインでつないだ作家とアシスタントの分担作業風景、完成した作品が公開されるまでの流れ(ときには完成後、わずか12分でアップすることも!)など、ウェブトゥーンが読者に届くまでの裏側がリアルに描かれた“お仕事ドラマ”としても発見が多い本作。
大人気作「社内お見合い」で視聴者をキュンとさせ大きな注目を集めたセジョンが、何事にも全力で取り組むマウムをはつらつと、チャーミングに演じている。その活躍ぶりを見ているだけでスカッとすることうけあいだ。
マウムと編集部員たちの奮闘と絆に心揺さぶられる痛快ヒューマンドラマ「今日のウェブトゥーン」は「女性チャンネル♪LaLa TV」にて10月10日(木)にCSベーシック初放送。
◆文=酒寄美智子
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