9月15日(現地時間)に授賞式が行われた第76回エミー賞にて、「SHOGUN 将軍」が、作品賞、主演男優賞、主演女優賞など同賞史上最多18部門を受賞した。快挙の背景にあったのは、プロデューサー兼主演俳優としてチームを支えた真田広之と、彼を中心に一つにまとまったプロダクションの結束。情報解禁から快挙までの間に当メディアが取材した「SHOGUN 将軍」に関するさまざまな情報から、彼らが一丸となって作品作りに打ち込んだことが分かる製作秘話5つをあらためて紹介する。
戦国時代の日本をモチーフにしたジェームズ・クラベルのロングセラー小説を「トップガン マーヴェリック」のジャスティン・マークス氏らが新たに映像化した「SHOGUN 将軍」。1600年代の“天下分け目の戦い”前夜の日本を舞台に、戦国最強の武将・吉井虎永(真田)、漂着したイギリス人航海士ジョン・ブラックソーン(のちの按針/コズモ・ジャーヴィス)、ブラックソーンの通訳を務めることになったキリシタン・戸田鞠子(アンナ・サワイ)らが直面する陰謀と策略を描いた物語だ。
真田が俳優としてだけでなく、プロデューサーとしても携わることが決まり、企画が動き出した。エグゼクティブ・プロデューサーのマークス氏とレイチェル・コンドウ氏は、初対面時に真田に渡された長いリストが印象に残っているという。
「(大きく手を広げて)こんなにも長いリストを彼からもらいました(笑)。例えば、『所作の指導者に参加してもらう』『衣装、メイク、小道具に関しても日本の専門家にしっかりと見てもらう』とか。時代考証に関しても、きっちりと行うというようなことが書かれていて。そのリストをもとに、制作も進めていきました」(マークス氏)
作品を紹介する場で一貫して「日本を世界に正しく紹介したい」と語ってきた真田。「そのためには、日本から招いた専門家に加わってもらわなければならない」と当初から考えていたことが分かるエピソードだ。
そんな真田自身が「大変だった」と振り返ったのは、脚本作り。アメリカで制作されるドラマだが、リアルな世界を構築するため日本人キャストのセリフはすべて日本語とし、その上で英語字幕をつけることにした。
「脚本作りの段階で吟味したのは、原作を尊重しながらも、日本人が見て『これっておかしいよね』と思わないようにすることでした。台本が上がってきたら翻訳者に渡して、翻訳したものを劇作家に渡してセリフになって返ってきたら、それを逆翻訳してジャスティンに送り返す、というのを何往復も繰り返して1話1話作っていきました」(真田)。丁寧に時間をかけて違和感を一つずつ潰していく、根気の要る作業によって「SHOGUN 将軍」の世界観が構築されていった。
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